債券先物と中長期債が上昇、日銀の臨時オペ受けー10年入札は弱い結果

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  • 先物は23銭高の150円09銭で引け、長期金利は0.115%に低下
  • 金利上昇に対して何もしないわけにもいかない-SMBC日興

債券市場では先物と中長期債の相場が上昇。日本銀行が長期金利の変動許容幅の拡大を決めたことを受けて目先の金利上限を試す売りが先行する中、この日の10年債入札は弱い結果となったものの、臨時の国債買い入れオペが通知されたことを受けて買いが優勢となった。

  2日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比11銭安の149円75銭と日中取引ベースで昨年7月以来となる安値で寄り付いたが、直後に上げに転じた。午後の取引開始直後に一時25銭高の150円11銭まで上昇。日銀のオペ通知後はこの日の高値圏でもみ合い、結局は23銭高の150円09銭で引けた。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、指し値オペはやはり0.2%まで入らないのだろうが、金利上昇に対して何もしないわけにもいかないと指摘。1回4000億円の買い入れを続ければ需給は逼迫(ひっぱく)するので、長期金利の上昇はさすがに一服しそうだと述べた。

  現物債市場では長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは0.145%と、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より2ベーシスポイント(bp)上回り、昨年2月以来の高水準で取引を開始。その後は徐々に水準を切り下げて低下に転じ、午後3時過ぎには0.115%を付けた。

  市場では日銀がこの日に入札のある10年ゾーンを避けて中期債を対象とした指し値オペを実施するとの観測が浮上し、残存5年以下の利付債は利回りが低下した。一方、超長期ゾーンでは引き続き売りが優勢で、新発20年物の165回債利回りは一時0.62%と昨年7月以来の水準に上昇。イールドカーブは前日に続いてスティープ(傾斜)化した。

  日銀の雨宮正佳副総裁はこの日の講演で、長期金利が急速に上昇する場合は「迅速かつ適切に国債買い入れを実施する」と述べた。午後の記者会見では、ゼロ%の上下0.2%程度の変動許容幅は政策委員会でおおむね合意されたことで、執行部の判断で変わることではないと説明した。

  財務省が実施した10年利付国債(351回)入札の結果は、最低落札価格が99円62銭と、ブルームバーグがまとめた市場予想中央値を11銭下回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は12銭と、2016年8月以来の大きさ。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.17倍と、前回の4.37倍から低下した。

過去の10年国債入札結果はこちらをご覧ください。

  金利急騰の懸念が再燃する中、日銀は午後2時、今月のオペ運営計画で予定していなかった残存期間5年超10年以下の国債買い入れオペ4000億円を通知した。前回7月27日に実施された同ゾーンの買い入れ額は4100億円。金融機関から1兆2710億円の応札があった。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.100%-0.5bp
5年債-0.065%-1.5bp
10年債 0.115%-1.0bp
20年債 0.610%+1.5bp
30年債 0.830%+2.5bp
40年債 0.950%+2.5bp
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