米が2000億ドル対中関税の税率引き上げ検討、圧力強化へ

更新日時
  • 米政権、関税率を10%から25%に近く変更する可能性も
  • 並行して正式交渉再開への方法を双方が探る

トランプ大統領

Photographer: JIM WATSON/Getty Images

中国は米国に対し、貿易を巡る「どう喝と圧迫」をやめるよう警告した。トランプ米政権は関税引き上げをほのめかすことで、公式交渉のテーブルに戻るよう中国への圧力を強めている。

  トランプ政権は中国からの輸入品2000億ドル(約22兆3660億円)相当に関税を課す計画について、税率を従来予定の10%から25%に引き上げることを提案する。内部の協議に詳しい関係者3人が明らかにした。米政府は2000億ドルの製品を対象に10%の関税を賦課すると警告していたが、関係者1人によると、政権は近く連邦公報で関税率を25%とする可能性がある。

  この動きと並行して、ムニューシン米財務長官と中国の劉鶴副首相の各代理が非公開協議を進めており、正式な交渉を再開する方法を探っていると、事情を知る関係者が匿名を条件に明らかにしていた。

  協議再会の可能性を開きつつもさらなる悪い結果を警告する米政府の戦略は、数カ月続く米中の緊張を一段と高める可能性がある。

  中国外務省は米国が関税をさらに引き上げた場合は、反撃すると言明。同省の耿爽報道官は1日の定例記者会見で、「米国が状況をさらに悪化させる措置を取る場合、われわれが自らの正当な権利と利益を守るために対抗措置を取ることに間違いはない」と話した。

  同報道官は、両国の対立は協議と対話を通じて解決されるべきだと中国は常に確信してきたが、話し合いは「平等と尊重、および規定のルールと信頼性」に基づくものでなければならないと続けた。

  中国共産党中央政治局は7月31日、債務削減の取り組みや対米貿易摩擦によるリスクを踏まえ、景気下支えに一段と重点を置くことを示唆した。習近平総書記(国家主席)が主宰した政治局会議後のコミュニケでは、下期は今後をより見越した柔軟で効果的なものとするため経済政策を改善しつつ、レバレッジ圧縮の取り組みを慎重なペースで続けると表明した。

  米通商代表部(USTR)によれば、中国からの輸入品2000億ドル相当を対象とする米関税に関する意見公募期間は今月20ー23日の公聴会を経て、30日に終了する。公聴会前に関税率引き上げを公表する必要があるが、公表すればトランプ政権が中国に大幅譲歩を促す圧力を強めるという警告となる。

  関係者によると、トランプ大統領がライトハイザーUSTR代表に対し、同関税率を25%に引き上げるよう指示した。

  ムニューシン、劉鶴両氏の各代理の協議を明らかにした関係者によると、具体的な日程や議題、協議の形式はまだ固まっていないものの、さらなる交渉が必要との点でムニューシン、劉鶴両氏は一致している。中国当局者は交渉再開の見通しについてコメントをしていない。

  米中両国当局者はこの数週間、交渉再開の可能性を示唆してきたものの、最後に高官級通商協議をしてから約2カ月が経過した。

  中国の王毅外相は先月30日、「米中両国は数回の協議を行い重要なコンセンサスに達したが、残念なことに米国は義務を果たさなかったし、中国と協調して取り組まなかった」と述べた。

  内部の議論の事情に詳しい関係者によると、米国は中国から一定の譲歩を引き出そうとしており、中国が同意すれば米国が追加関税の対象拡大を控えることもあり得る。

  交渉再開を目指すムニューシン長官の取り組みを難しくしているのがライトハイザーUSTR代表の強硬姿勢だ。USTRは昨年、1974年通商法301条に基づく大統領の指示を受け調査を実施、中国が米知的財産権を侵害しており、この損害を相殺するため関税が必要との結論を示した。

  米財務省の報道官にコメントを求めたが返答はなかった。
  
原題:China Says Stop the Blackmail as Trump Said to Up Tariff Threat(抜粋)

(中国側の反応などを追加し、更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE