次世代の億万長者を囲い込めーUBSがミレニアル対象に「金持ち塾」

富裕層一族の後継ぎ52人が6月、フォーシーズンズホテルに集まった。しゃれた飲み物をすすりながら金持ちらしい話題で盛り上がる。お金、金持ちの社会的責任、テクノロジー、フォーミュラ・ワン。昼食時には冷えたロゼが振舞われる。テイスティングをするのはジョン・ボンジョビ氏と息子のジェシー氏。

  「金持ち塾」へようこそ。

ジェシー、ジョン・ボンジョビ両氏

写真家:Doron Gild

  ウォール街に近いそこで開かれたのはスイスの銀行UBSグループが主催する毎年恒例の「ヤング・サクセサー・プログラム(YSP、若き後継ぎのためのプログラム)」。生まれながらの金持ちのための3日間のワークショップだ。講義と自己実現訓練で構成されるこのイベントの目的は、次世代の超富裕層の心にUBSのブランドを刻み込むことにある。つまり、将来有望な顧客を若いうちに囲い込もうというわけだ。

  YSPや他のプライベートバンク主催の次世代プログラムの参加者の平均年齢は27歳。いつの日か世界で最も重要な顧客になる若者たちだ。極端に豊かな金持ちの時代である今、超々富裕層を巡るウェルスマネジャーらの競争はかつてないほどし烈だ。富の世代間移転が近づいている今、銀行は既存顧客についても未来の顧客についても確実に自分のものになると考えることはできない。

  こうしたイベントは若い金持ちに互いに知り合う機会を与える。同時に、プライベートバンクが、提供できる幅広いサービスを売り込む場でもある。運用や投資アドバイスのサービスがほぼ商品化している今、これは非常に重要だ。

  UBSの6月のイベントで招待客は世界中から集まり年齢は21-34歳。共通点は全員が8桁台かそれ以上の金額の口座を持つ一族の一員だという点だ。UBS幹部は取材に応じたほか、参加者の名前を公表しないことを条件に夜の活動以外への記者の立ち入りを許可した。

  

Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg

  起業や社会的責任投資、パーソナル・ブランディング、ただの寄付ではない創造的な慈善活動などのテーマがミレニアル金持ちたちに人気が高い。

  ジェシー・ボンジョビ氏はロゼワインを飲みながらのランチの席で自身の経験を披露した。このワイン「ダイビング・イントゥー・ハンプトン・ウォーター」はジェシー氏が父とともに立ち上げたブランドだが、同氏は昨年のUBSのイベントでそのマーケティングについてのインスピレーションを得たという。

  親子の世代間の対話を生み出すのもウェルスマネジャーにとって実りが大きい。ジェシー氏は「家に帰って両親にたくさんの質問をした」と振り返る。一族のアドバイザーと会い、その後も何回も面談して今では一族の状況と次の一歩についてはるかによく知り、深く関わっている。

  もちろん、UBSについてもよく知るようになった。作戦成功だ。

原題:What Millennial Heirs Did This Summer: Lessons on How to Be Rich(抜粋)

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