【個別銘柄】銀行株安い、日本M&AやポラオルH下落、ぐるなび急騰

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  • 日銀緩和継続で銀行収益の改善期待後退、日本M&A営業益3割減
  • 楽天と提携のぐるなびにネット予約ビジネス拡大期待

31日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  銀行株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比2%安の689.4円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が2.7%安の4445円、みずほフィナンシャルグループ(8411)が2.5%安の194.6円など軒並み下落。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は、日本銀行が強力に金融緩和を継続する中、長期金利の上昇は見込めず、銀行の収益改善といった期待も高まりにくいと指摘。長期金利目標に一定の変動を持たせたことで緩和の副作用を軽減する姿勢はうかがえたが、極めて低い長短金利の水準を維持するため、緩和的対応を粘り強く行っていく姿勢に変わりはないと話した。

  日本M&Aセンター(2127):11%安の2976円。2018年4-6月期営業利益は前年同期比29%減の25億8100万円、M&A仲介件数は前年同期と同水準だったが大型案件が減った。ゴールドマン・サックス証券は、同証の想定45億円以下で、乖離(かいり)は件数、単価とも伸び悩んだためと分析。同社は案件の半数以上を協力先から組織的にソーシングしており、同業他社比較で相対的に安定感が高いとの認識だったが、ここまで業績がぶれる点はサプライズとした。

  ポーラ・オルビスホールディングス(4927):8.3%安の4330円。1-6月期営業利益は前年同期比10%増の231億円、据え置いた通期計画415億円(前期比6.7%増)に対する上期進捗(しんちょく)率は56%となった。ジェフリーズ証券は、第1四半期に続いてポーラが好調で上期決算は会社計画を上振れたとした一方、ジュリークの下期の不透明感やポーラの下期マーケティング投資の積み増しで会社の通期計画は据え置かれたとも指摘。ポーラの好調はすでに現状株価に織り込まれているとみている。

  ぐるなび(2440):150円(17%)高の1008円とストップ高。楽天は、ぐるなび株9.6%を同社会長から取得し、第2株主になると発表。両社は飲食店予約サービスでの連携を一層強化、ぐるなび会員・ぐるなびポイントと楽天会員・楽天スーパーポイントの段階的統合を図る。野村証券は、楽天ポイントをフックにした「ぐるなび」のネット予約人数と予約可能店舗数の拡大、楽天ポイントを付与することによるユーザーの経済的インセンティブの強化が図られるとみる。

  カカクコム(2371):3.9%安の2352円。楽天とぐるなびが資本・業務提携したことを受けてジェフリーズ証券では、グルメサイト「食べログ」を展開するカカクコムにネガティブな影響があると指摘。オンライン予約業界の競争は厳しくカカクコムは、プラットフォーム・ベンダーと協業しエコシステムに属したり、食ベログに決済機能を追加しユーザーが注文した食事の内容などのビッグデータを獲得するといった選択肢を迫られる可能性があるとみる。

  オリックス(8591):4.8%安の1810円。4-6月期純利益は前年同期比11%減の799億円、セグメント利益は16%減の1134億円だった。SMBC日興証券は、純利益は同証予想の920億円に対し下振れ、一部市場での懸念通り減益幅が大きく、ややネガティブな印象と指摘。新規投資が限定的でセグメント資産が前四半期比横ばい、為替の影響を除くと微減にとどまった点もマイナス材料とした。

  LIXILグループ(5938):3.5%安の2286円。31日午後発表した4-6月期の事業利益は前年同期比65%減の65億6000万円だった。マーケティング投資が奏功した海外中心に売上高は1.1%増えたが、国内で操業度低下によるハウジングテクノロジーの粗利率低下、ウオーターテクノロジーの商品ミックス変化に加え、4月からの新取引制度導入に伴う人件費負担も響いた。前期比13%増の850億円を見込む19年3月通期計画は維持、進捗(しんちょく)率は13%。

  デンソー(6902):2.5%安の5504円。4-6月期営業利益は前年同期比2.4%減の909億円だったと31日午前に発表。日本と北米地域が減益で、日本では競争領域に向けた費用が増え、北米では先行開発費用や資産能力増強のための投資が増えた。通期計画は3760億円から3900億円に上方修正したが、市場予想の4050億円に届かなかった。

  カプコン(9697):6.6%高の2894円。4-6月期営業利益は前年同期比6.5倍の51億600万円だった。1月に発売したゲーム「モンスターハンター:ワールド」が続伸、利幅の大きいリピート販売も伸びた。野村証券は、他社と同様に複数タイトルのリピート販売を積み上げつつあり、特定タイトルに依存せず、より確度の高い営業利益成長率を実現しつつあると評価。20年3月期-21年3月期の営業利益成長率は年率10.9%とラッセル/野村ラージキャップ(金融除く)の7.5%を上回るとの見方を示した。

  オリエンタルランド(4661):4.4%高の1万2130円。4-6月期営業利益は前年同期比19%増の298億円と市場予想272億円を上回った。野村証券は、東京ディズニーランド35周年イベントによる訪園者数が好調に推移し営業利益を押し上げたと指摘。イベントはキャストとゲストの距離が従来よりも近くなった印象で、大型アトラクションだけに頼らない、地道なイベント効果が同証想定を上回って表れ始めたと評価した。19年3月期の営業利益予想は1302億円と会社計画1135億円を上回ると試算した。

  ファンケル(4921):5.4%高の5850円。4-6月期営業利益はファンケル化粧品やインバウンド好調による増収効果で前年同期比3.7倍の44億8700万円、19年3月期計画を95億円から122億円へ増額修正した。みずほ証券は、サプリメントの人気が同業他社との大きな差別化で、爆買いが最高益をサポートしていると分析。会社側の通期計画は同証予想126億円程度に上方修正されたが、なおアップサイド感が感じられポジティブな印象。中期計画を前倒しで達成しそうであることから上期決算発表時には中計の見直しが発表されるもようだとみる。

  王将フードサービス(9936):10%高の6630円。4-6月期営業利益は前年同期比78%増の14億9200万円だった。キャンペーンの積極展開や従業員教育の徹底による店舗QSC(品質・サービス・清潔)向上でリピート客が増加、毎月限定商品などメニュー強化で客数が大幅に増え、売上高が7.6%増の196億円と過去最高を達成した。

  SCSK(9719):4.8%高の5280円。4-6月営業利益は前年同期比63%増の63億円と、市場予想58億円を上回った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、利益上振れに加え、システム開発の受注も18%増と同証予想1.5%減を大きく上回りポジティブな決算とした。IoT関連や車載向け組み込みソフトを含む製造業向け、流通業向けなどの受注が好調で、保険業のシステム刷新需要も立ち上がった印象とも指摘。目標株価を5850円から6500円に上げた。

  日本電気硝子(5214):9.1%高の3605円。発行済み株式総数の3.32%に当たる330万株、金額で100億円を上限に自己株取得する。同時に発表した4-6月期営業利益は前年同期比14%減の69億円だった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、株主還元拡大は早くとも18年12月期本決算発表時と同証ではみていたと指摘。さらに4-6月期営業利益が同証予想と会社計画の78億円を下回ったのは、ディスプレイ用ガラス事業の設備立ち上げやガラスファイバ事業の修繕工事での追加費用発生したためだとし、すでにこれら工事はおおむね完了済みで、今後の業績影響への大きな懸念は不要とみる。

  TDK(6762):4%高の1万1930円。4-6月期営業利益は前年同期比53%増の254億円だった。SMBC日興証券は、同証予想225億円やコンセンサス予想を上回りポジティブな印象と指摘した。受動部品とエナジー応用製品(リチウムポリマー電池を含む)が大幅増益となったとし、19年3月期営業利益計画は1000億円に据え置かれたが、同証予想は1210億円と過達の可能性が高いとみる。

  日本冶金工業(5480):12%高の375円。19年3月期の営業利益計画を84億円から前期比約2.3倍の95億円に上方修正した。高機能材の需要が堅調推移、ニッケルなどの原材料や副資材の価格上昇に対し、販売価格の適正化が進んだことも寄与する。

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