円下落、長期金利低下で売り優勢ー日銀が緩和枠組み強化 (訂正)

訂正済み
  • ドル・円は一時111円46銭まで円安が進行
  • 黒田総裁発言で長期金利とともに円も下げ渋り

東京外国為替市場では円相場が下落。日本銀行が発表した「強力な金融緩和継続のための枠組み強化」を受けて売り買いが交錯する中、国内長期金利の大幅低下を背景に円売りがやや優勢となった。

  円は午後5時4分現在、主要16通貨全てに対して下落。ドル・円相場は前日に比べ0.4%円安の1ドル=111円45銭前後で推移している。日銀の金融政策決定会合発表後に110円75銭から111円30銭のレンジで上下した後、111円44銭まで円売りが進行。その後、111円ちょうど付近まで値を戻したが、国内長期金利が一段と低下すると一時111円46銭付近まで円安に振れる場面があった。

  日銀は31日の会合で、長短金利水準を据え置いた上で、長期金利目標について「経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうる」ことを賛成7、反対2で決定。2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響も含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、「当分の間、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とした政策金利のフォワードガイダンス(指針)も導入することを決めた。  

  外為どっとコム総研の神田卓也調査部長は、長期金利の目標レンジ柔軟化とのヘッドラインに反応して瞬間的に円高に振れたが、中身を見てフォワードガイダンスが設定されていたことが「一番円安にとっては大きかった」と説明。「消費増税のGDP(国内総生産)への影響を見極めることになると、最低でもここから2年近くは強力な金融緩和を継続するという宣言にみえる」と話した。

日銀の決定内容についてはこちらをご覧ください。

  国内債券市場では長期金利が大幅低下。日銀が現行の緩和策の柔軟運用を決めながらも、ゼロ%程度とする長期金利の誘導水準を維持したことで安心感が広がった。新発10年物国債利回りは一時0.045%と前日午後3時時点の参照値を5.5ベーシスポイント(bp)下回る場面があった。黒田東彦総裁が午後の会見で、長期金利の変動幅について現在のプラスマイナス0.1%の倍程度を想定していると述べると、0.06%まで戻した。円相場も下げ渋った。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純チーフマーケットアナリストは、長期金利の変動許容幅の拡大について「やはりアップサイドを意識せざるを得ないもの」だとし、市場は遅かれ早かれ金利の上限を試しに行く可能性が高く、「その過程で円高になりやすい」と予想。「利上げや正常化ではないという意味では、一方的なドル安・円高が進むことはないと思うが、かなり遠くの先に出口を意識するものでもあり、中長期的には円高の材料」との見方を示した。

(第5段落4行目の長期金利の水準を0.06%に訂正します.)
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