ホテルと民泊のいいとこ取り、「ハイブリッド型」が人気

  • 確実に「インスタ映え」するブティックホテル
  • ブルックフィールドが英ロックを買収するなど投資家も関心

ホテルにするかエアビーアンドビーにするか。昨今の宿の予約で最も頭を悩ます問題の1つがこれだ。

  だが、もう悩む必要はない。双方をいいとこ取りしたハイブリッド型の宿泊施設が世界で人気を博しつつある。いわゆるブティックタイプのアパートメント・ホテルだ。半分アパートで半分ホテルだが、確実に「インスタ映え」する。

 

AKAウォールストリート

出典:AKA

  長期滞在用のホテルと言えば、予算重視のホームウッド・スイーツレジデンス・インあるいは会社が用意する殺風景な宿泊施設を連想するかもしれないが、ここで言うブティックホテルはホクストンソーホー・ハウスといったスタイリッシュな隠れ家を予約するような「テーマ」を求める比較的短期の旅行者向けだ。

  民泊仲介最大手のエアビーアンドビーはその安さと信頼性でホテル業界最大の脅威だが、「ロック」ブランドを通じ英国にこうしたアパートメント・ホテルというコンセプトを導入したエリック・ジャファリ氏は、エアビーアンドビーこそが同ブランド誕生の契機だと言う。


英エディンバラにある「イーデン・ロック」のバーとロビー

出典:Locke

  米国でアパートメント・ホテルを手掛ける「AKA」のラリー・コーマン社長も同じ見方だ。こうしたアイデアに道を開いたのがエアビーアンドビーだとした上で、「旅する人々が愛するのは柔軟性」だと語る。そしてまた、そうした認識の投資家もいる。

  ブルックフィールド・キャピタルは今年2月、傘下のホテルが2軒しかなく創業からわずか1年4カ月のロックを買収。不動産資産や今後開業予定の900室などを含めた買収額は4億3000万ポンド(約630億円)で、これが業界標準の買収価格となった。ジャファリ氏は、ロックの企業価値が2023年までに25億ドル(約2800億円)に膨らむと見込んでいる。

AKAウォールストリートの外観

出典:AKA

  同氏はエアビーアンドビーの民泊施設は利用時間や荷物置き場の制約が多いと指摘し、ロンドンなどの大都市でもアパートメント・ホテルの需要は大きく過小評価されていると分析する。

  ゴールドマン・サックスでホスピタリティー投資グループを始動させ、今はニューヨーク州ロックビルセンターのモロイ大学教授のスティーブ・ケント氏は「いずれ大手ホテル各社がこうした機会に軸足を移すだろう。消費者とデベロッパー双方の関心に沿っているためだ」と予想する。

アムステルダムにある「ゾク」ホテル

出典:Zoku

  アパートメント・ホテルがエアビーアンドビーに勝る点として、AKAのコーマン社長はブランドの統一性やプライバシー、安全性を挙げる。ニューヨークやロサンゼルス、ワシントンなどの都市で事業を展開するAKAはクリエーティブな人々に人気だという。映画・エンターテインメント業界が2000年代の早い時期から利用してくれていると説明する同社長は、「神は細部に宿る。それがエアビーアンドビーのアキレス腱だ」と話す。

AKAウォールストリートの共同テラス

出典:AKA

英マンチェスターにある「ホイットワース・ロック」

出典:Locke

  「ゾク」がアムステルダムで最初の宿泊施設をオープンするなど、アパートメント・ホテル分野への新規参入も増えつつある。

「ゾク・アムステルダム」

出典:Zoku

原題:These New Hotels Can Actually Compete With Airbnb (抜粋)

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