Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

新興国通貨トレーダー休みなし、ボラティリティー上昇で-G7は平穏

  • 新興国通貨と先進国通貨のボラティリティーの差が拡大
  • トルコ、アルゼンチン、中国にトレーダーは注目

新興国通貨のトレーダーには、油断できない状況が続いている。先進国通貨のトレーダーが夏の平穏の中で居眠りしないではいられないような状況にあるかもしれないのとは対照的だ。

  新興国通貨のインプライドボラティリティー(IV、予想変動率)は上昇し、約1年ぶりの高水準近辺で推移している。アット・ザ・マネーの3カ月物フォワード・オプションに基づくJPモルガン・チェースの指標が示した。一方、先進国通貨の同様のボラティリティー指標は5年平均を1ポイント余り下回る水準で推移し、2つの指標の乖離(かいり)は今月、2011年以降で最大となった。

  欧州や日本の中央銀行が金融緩和政策を維持する中、主要7カ国(G7)通貨は比較的落ち着いて推移。しかし、ここ数カ月は世界的な地政学的懸念に各国特有の脅威が重なったことで、新興国通貨は変動が激しい。米中貿易摩擦はリスクテーク意欲に打撃を与え、利回り追求でここ数年間は新興国資産に資金を殺到させた投資家を動揺させている。また、最近の幅広いドル高は一部の新興国市場にリスクをもたらしている。

  トルコ・リラは先週、再び圧力にさらされた。トランプ米大統領が同国に「大型制裁」を科すと警告したほか、中銀が予想外に政策金利を据え置き、投資家に衝撃を与えたからだ。景気低迷を背景に国際通貨基金(IMF)から500億ドルの信用枠を獲得したアルゼンチンは、通貨ペソが引き続き主要通貨で年初来最悪のパフォーマンスとなっている。

  管理フロート制の下にある中国人民元でさえ、予想変動率が上昇している。中国人民銀行(中央銀行)が貿易摩擦の悪化を受け、元安進行を容認するかどうかにトレーダーは注目している。人民元は今月、約1年ぶりの元安水準を付けた。

原題:No Rest for Emerging Currency Traders as G-7 Volatility Slumbers(抜粋)

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