ドルは111円台前半、日銀会合警戒で売り先行後に戻すー指し値オペも

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  • 朝方に110円89銭まで下落した後、午後に一時111円17銭まで上昇
  • 日銀会合、円買いを呼ぶようなサプライズないーステート・ストリー

東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=111円台前半を中心に推移。日本銀行による政策調整への警戒感からドル売り・円買いが先行した後、水準をドル高方向に戻す格好となった。長期国債の「指し値オペ」で円金利の上昇が抑制されたことも相場を支えた。

  30日午後4時42分現在、ドル・円は前週末比ほぼ変わらずの111円06銭。朝方に110円89銭まで下落した後、徐々に水準を切り上げ、午後に入って一時111円17銭まで上昇した。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、朝方に下げた後に戻したドル・円について、「新たな海外投資など投資系のフローが入ったのではないか」と指摘。「市場で、日銀会合は注目度が上がっている。長期金利の許容範囲を広げるなどの観測があり、ゼロ%目標からプラスに上昇しても構わないとの姿勢であれば、緩和縮小方向という期待がある。ただ、日銀は円高を気にするので円買いを呼ぶようなサプライズはないと思う。サプライズがあるとすれば円安方向ではないか」と述べた。

  日銀は30、31日の2日間の日程で金融政策決定会合を開催している。この日の午後2時の金融調節では、指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる「指し値オペ」を実施。落札額は1兆6403億円と、同オペとしてはこれまでで最も多い国債を買い入れたほか、実施回数も23日、27日に続き、今月3回目と異例だった。

  国内の長期金利は一時0.11%と昨年2月以来の高水準を付けた後、日銀の指し値オペ発動を受けて0.095%に低下した。一方、東京株式相場は反落し、日経平均株価は前週末比167円91銭(0.7%)安の2万2544円84銭で取引を終えた。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、日銀の金融政策に関連して、市場で指摘されている上場投資信託(ETF)買い入れ割合の変更は為替相場に材料になりにくいとしながらも、国債買い入れの指し値オペで金利水準引き上げがあった場合、「日米金利差縮小の思惑で円買いになりやすい」と予想。ただ、「基本的な緩和の枠組みは変わらないため、ドル・円は110円台を維持できるとみている。指し値オペの水準を若干調整するくらいでは大きな動きにつながりにくい」と述べた。

  
  今週は日銀会合のほか、31日、8月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、8月2日に英中銀イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)が開かれる。市場では、米国は金融政策の現状維持、英国は政策金利の0.25%ポイント引き上げが見込まれている。ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ポンド=1.3126ドルで推移している。

  ステート・ストリート銀の若林氏は、ポンド・ドルについて、「英中銀が今週会合で0.25%の利上げをしてもあまり支援材料にならない感じ。注目度は低下しており、英利上げがあっても大きな転換点にはならないと思う。ポンドは復活するかと思うと売りが出て買い方が苦労する」と述べた。

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