リタイア前に長期休暇を、人生100年時代のための新ツール

  • ウェルスフロントは長期休暇を取れる余裕を測るツールを投入
  • 「リタイアはもはや最終目標ではない」とウェルスフロント共同創業

米国では何百万、何千万人が自身のキャリアに固執し、貯蓄に不安を抱え、いつまでたっても退職に十分な蓄えはできないかもしれないと恐れている。だがそうした心配性が身についたあなたこそ、心身をリフレッシュする必要がある。数カ月、あるいは数年仕事を離れ、世界を旅し、楽しむべきだとアドバイスする専門家もいる。

  キャリア途中での長期休暇の必要性にはそれなりの論理がある。寿命が延び、定年や退職時期が後ずれしつつある今、40年仕事して60歳か65歳で引退するのと、50年働いて70歳もしくは75歳で自由な生活に入るのとでは大違いだ。

  「ライフ・シフト:100年時代の人生戦略」を共同執筆したロンドン・ビジネス・スクール(LBS)のリンダ・グラットン教授は「くたびれ果てているわれわれには休暇が必要」だと主張。リタイア後の生活を人生の半ばでも楽しんでみては」と問い掛ける。

  米シリコンバレーのオンライン資金運用会社ウェルスフロントは7月25日、住む場所や家族構成、所得の異なるさまざまなクライアント向けに新たなウェブツール「タイム・オフ・フォー・トラベル」を投入。旅行休暇を取る余裕があるかどうか、またどの程度の期間の休暇が取れるかの見極めに役立つ。退職後の生活資金や住宅購入といった目標の他に、数カ月あるいは数年に及ぶ旅行を優先目標として設定可能だ。

パリッシュ夫妻はシェルパのカマラさんと共にネパールのアンナプルナ山をトレッキングした

出典:Kate and Kyle Parrish

  ウェルスフロントのクライアント、パリッシュ夫妻は、夫のカイルさん、妻のケートさん共に30歳代前半。昨年11月に1年3カ月にわたる世界一周旅行からサンフランシスコに戻ったという。25カ国を訪れ、南極大陸以外の全ての大陸に足を踏み入れた。スロベニアやパタゴニアでは農家で働くなどして旅費を4万ドル(約440万円)に抑えた。

  ただこの旅行のためカイルさんは米ドロップボックスでのセールスの仕事を辞めなければならなかった。悪くない仕事だった。でも夫妻に後悔はない。カイルさんはブルームバーグの電話取材に対し、「人生は1度しかないし、人間なら立ち止まってリフレッシュが必要だ」と話した。

  ウェルスフロントの共同創業者ダン・キャロル氏(36)は、若い世代を中心にクライアントの考え方が変化したと指摘。「リタイアはもはや最終目標ではない。リタイア時に人生が始まるのを待つのではなく、今こそ豊かな人生に生きたいと考えているのがわれわれだ」と語った。

ウェルスフロントの「タイム・オフ・フォー・トラベル」

出典:ウェルスフロント

  たがリスクはつきものだ。ウェルスフロントはクライアントの仕事復帰を手助けすることはできないし、長期休暇でキャリアが損なわれる可能性は残る。仕事を辞めた誰もが最も心配するのは、どうやって再び職に就くかだ。米国の失業率は過去最低水準付近にあるが、それが続く保証はない。

フィンランドの湖-ゆったりと時間を過ごすにふさわしい場所だろう

出典:ブラックトマト

原題:Why Retire When You’re Too Old to Enjoy It? Quit Your Job Now(抜粋)

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