【来週の日本株】こう着、日銀会合と国内決算にらみ-為替が焦点

  • 日銀会合は変更なし公算、ETF買い入れ対象見直しも織り込み済み
  • 四半期決算は業績堅調を確認も、上方修正限定で上値を追いづらい

8月1週(7月30ー8月3日)の日本株相場は、日本銀行の金融政策決定会合の結果と発表が本格化した国内企業決算の内容を確認したいとのムードが広がり、方向性が出にくい。堅調な海外景気が支えになる半面、為替の円高懸念はくすぶりそう。

日銀

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  最大の注目は30、31日に開催される日銀会合。市場では政策変更の可能性は低く、声明文で9月以降の長期金利誘導目標の見直し検討が盛り込まれたり、上場投資信託(ETF)で日経平均型の買い入れを減らしTOPIX型を増やすとの予想が出ている。株式市場はこうした可能性を織り込んできたため、直接的な影響は限定的とみられる。ただ、米国との通商協議も控える中、為替市場で円が強含むなら上値が抑えられる可能性が残る。

  国内では4-6月期決算発表の前半ピークを迎える。31日はソニー、任天堂、1日はエーザイ、2日は三菱UFJフィナンシャル・グループ、3日はトヨタ自動車などが予定。大和証券によると、26日時点で金融を除く東証1部企業の19%が発表を終え、経常利益は前年同期比12%増、時価総額上位銘柄では市場予想を10%以上超過した銘柄が4割という。良好な決算は相場の支援要因であるが、第1四半期とあって通期計画の上方修正は限られる上、株式相場は業績期待で7月上旬から戻り歩調にあるため、ここからの相場押し上げ効果は大きくなさそうだ。

  米国では31、1日に連邦公開市場委員会(FOMC)、1日に7月の供給管理協会(ISM)製造業景況指数、3日に雇用統計が予定されている。市場予想はISM製造業が59.2(前回60.2)、雇用統計での非農業部門雇用者数は19万人増(同21万3000人増)で、平均時給は前年比2.7%増(同2.7%増)といずれも高水準維持が見込まれている。中国では31日に7月の製造業購買担当者指数(PMI)が公表される。第4週の日経平均株価は前週末比0.1%高の2万2712円75銭と、3週連続で上昇。

≪市場関係者の見方≫
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之シニアストラテジスト
  「底堅い展開を見込む。最大の注目点は企業決算。為替が企業想定より円安方向にあることから第1四半期は悪くはないだろう。通期計画に対する進ちょく率が高ければ安心感が出る。ただ、貿易問題から企業は強気のコメントを出しにくい上、まだ上方修正も少ないとみられ、力強く買うことにはならない。通商問題の状況次第で相場全体が下に振れる可能性が残り、レンジ相場を超えるのは難しい。日銀会合は金融緩和の副作用を考慮しなければならないなどのコメントが出そうだが、仮に長期金利の誘導目標を10ベーシス引き上げたとしても緩和の大枠は続くため、反応があっても一時的だろう」

JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「堅調となりそうだ。為替のドル高・円安で日本企業の4-6月期決算は増益や高進捗(しんちょく)が見込まれ、中長期の投資資金流入が日本株を押し上げる。米国ではISM製造業景況指数や雇用統計で景気好調が確認されそう。企業の業績も良好で、S&P500種の19年増益率予想は6月末の9.9%から足元で10.2%に上昇、好材料だ。米国がEUに対し自動車輸入の制限を設けなかったため、日米の新通商協議(FFR)でも摩擦が回避される見通し。日本はエネルギーや防衛関連で輸入拡大の余地がある。一方、米景気の過熱には警戒が必要。雇用逼迫(ひっぱく)が賃金上昇などを通じてインフレ懸念を高める可能性があり、米長期金利が3%を超えると株高を抑制する」

富国生命保険の山田一郎・執行役員有価証券部長
  「企業決算が株価を下押す材料にはならないため、日銀会合を無事通過すれば、TOPIXが1800水準まで上昇する可能性がある。日銀会合では政策変更はなく、イールドカーブ・コントロールへの直接的な言及はないだろうが、金融機関に対する副作用の議論は出そう。米欧貿易戦争の懸念が後退し、為替市場は基本的にリスクオンの状態。日銀会合後に債券市場が落ち着けば、為替は円安に振れ、株高の公算が大きい。米国中心に景気は良好なため4-6月期決算はネガティブではないが、サプライズは出にくい」

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