【個別銘柄】花王と日立金が高い、富士電は上昇、野村HD大幅安

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  • 花王は下期に増収率上昇と野村証、日立金7-9月に収益改善期待
  • 好決算の富士電は通期増額に期待、野村HDは想定外の大幅減益

27日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  花王(4452):前日比2.9%高の8403円。1-6月期営業利益は前年同期比3.9%増の908億円、2018年12月通期計画の2150億円は据え置いた。JPモルガン証券は、会社計画に対し利益は上振れたようで、利益コントロール力は健在と評価。足元の猛暑効果で高収益のF&H事業シェアは6月以降上昇しており、下期は営業レバレッジ効果が大きく見込まれそう。中国メリーズもEC強化による反転を予想、欧米は構造改革に着手し収益改善に向けた戦略は着実に進んでいるとみる。
  
  日立金属(5486):7.5%高の1244円。4-6月期調整後営業利益は前年同期比9.5%減の160億円、特殊鋼や素形材、電線など主力製品を中心に需要が増加し、売上高は7.6%増えたが、積極的な投資に伴うコスト増などが響いた。野村証券は、同証予想の170億円を下回ったほか、進捗率も過去3年間の平均26%を下回り表面上の数値として印象は良くないが、一過性要因や7-9月期以降の収益改善要因があり、株価も過去3カ月でTOPIXを15%程度アンダーパフォームし、決算後の下方圧力はないとの見方を示した。

  富士電機(6504):6%高の833円。4-6月期営業利益(第1四半期)は前年同期比2.3倍の63億5400万円、通期計画585億円は変更しなかった。みずほ証券は、第1四半期営業利益は市場予想41億円や同証予想40億円を大きく上回った、同証想定比では電子デバイス(パワー半導体)の売り上げや利益が強かった印象と指摘。通期会社計画は据え置きとされたが、第1四半期の好スタートや保守的な為替前提を考慮すると、第2四半期決算発表時に同証予想並み(615億円)までの上方修正も期待できるとみる。

  野村ホールディングス(8604):5.8%安の527円。4-6月期純利益は前年同期比91%減の52億2300万円、通商摩擦問題などでリスク回避の動きが強まりトレーディングビジネスが苦戦した。SMBC日興証券は、同証予想(534億円)比で大幅下振れとなり、ネガティブ・サプライズと指摘。3セグメント合計税引前利益が前四半期比70%減の228億円は苦戦を予測していた同証予想の528億円を大幅に下回り、他社比の相対劣後がさらに加速している印象、市場はより抜本的な対応策としてホールセール部門のリストラを求める状況になりつつあるとみる。

  サイバーエージェント(4751):1.5%安の6030円。4ー6月期(第3四半期)の営業利益は前年同期比3.7%増の68億2600万円、広告事業は16%増と好調だったが、ゲーム事業が1.8%減益、メディア事業の赤字は縮小した。ジェフリーズは同社予想の99億円、市場コンセンサスの84億円を下回り、ややネガティブと評価、実績との差はゲームのスローダウン、ネット広告事業での先行投資、AbemaTVのコストとの認識を示した。

  スタンレー電気(6923):4.9%高の4000円。4-6月期営業利益は前年同期比38%増の141億円と市場予想123億円を上回った。クレディ・スイス証券は、営業利益が市場予想を上回る堅調な滑り出しと評価。車載ランプのLED化進展に伴い内製LED・電子基盤の増加が継続、収益を押し上げたとみる。19年3月期営業利益予想は575億円と前期比3.4%増を見込む会社計画の550億円を上回る。

  クラリオン(6796):7.5%高の300円。4-6月期調整後営業利益は前年同期比31%減の12億2200万円だった、通期計画は30億円を据え置き。みずほ証券は、第1四半期営業利益は市場予想や同証予想3億円を上回った、未実現利益影響(+4億円)があったもようなことを考慮しても想定比で良好な出足と指摘。同証が注目している車載カメラ関連売り上げが2四半期連続で前年同期比プラス成長となった点もポジティブに評価できるとした。

  野村総合研究所(4307):3%安の5570円。4-6月期営業利益は前年同期比17%増の153億円、全てのサービスで売り上げが増加、通期計画の700億円は据え置き。ゴールドマン・サックス証券は、営業利益は市場想定線だが、受注の伸びは一部の強気の見方に対して低調と指摘。今期計画では野村HDを含めた証券向けの売り上げが強気すぎる、制度改正需要などがないことも考慮すると、会社計画は必ずしも保守的ではなく、市場が期待する顕著な業績の上振れはおきないと予想した。

  日立物流(9086):5.3%高の3075円。4-6月期営業利益は前年同期比13%増の74億2200万円、国内物流はメディカル関連案件の本格稼働に加え取扱量も堅調、国際物流は前期に立ち上げた自動車部品関連案件の寄与や為替の影響から収益が伸びて、国内での作業コスト上昇の影響などを吸収した。SMBC日興証券は、市場コンセンサスの70億円から上振れて着地する堅調なスタート、海外事業の収益性改善などが利益を押し上げたと分析した。

  ネットワンシステムズ(7518):21%高の2435円。4-6月期営業利益は前年同期比3.6倍の15億1100万円だった、パブリック市場で中央省庁の大型案件を受注、自治体のセキュリティ対策やクラウド基盤ビジネスなどが好調に推移した。野村証券は、コンセンサスを上回った好決算とし、受注高の増加と粗利益率の改善はポジティブサプライズとした。

  安藤ハザマ(1719):7.7%安の964円。施工中の「多摩テクノロジービルディング(仮称)新築工事」(東京・多摩市唐木田)で26日午後1時45分に火災が発生したと発表。同午後10時35分に鎮火したが、詳しい引火や延焼の原因は警察、消防が調査中。同社が把握している情報では地下3階で鉄骨のガスバーナーによる溶断作業中、何らかの原因で火が付近の可燃物に移ったもよう、27日午前8時時点の被災者は43人、うち死者は5人。今後の業績に重大な影響を与えることが判明した際は、速やかに公表するとした。

  ネットワンシステムズ(7518):21%高の2435円。4-6月期営業利益は前年同期比3.6倍の15億1100万円。野村証券は、営業利益がコンセンサスを上回った好決算、受注高の増加と粗利益率の改善はポジティブサプライズと評価した。公共事業中心に受注環境が強い上にサービスビジネスのattach rate上昇などで粗利益率が大きく改善、受注環境は極めて好調と判断し、19年3月期営業利益予想を106億円から会社計画と同じ110億円へ上方修正した。

  システナ(2317):11%高の1414円。4-6月期営業利益は前年同期比64%増の14億6800万円、車載、社会インフラ、ネットビジネス、スマートデバイス/ロボット/AI、業務システムに展開するソリューションデザイン事業が好調だった。特に自動車と通信の融合でIT企業からの新規参入が加速する中、車載関連の売り上げが大きく拡大、IT関連商品の法人向け販売、外資・中堅企業向けシステムインテグレーションなどソリューション営業事業も堅調だった。

  LIFULL(2120):8.7%安の664円。18年9月期の営業利益計画を50億円から40億円に下方修正した。同社は前期から決算期を変更しており、前期比較は行っていない。国内外で検索エンジン経由の「HOME’S」サイトへの集客が想定を下回ったほか、不採算分野のリフォーム事業からの撤退を決めたことなどで売上高が当初計画から17%下振れることが響く。

  東邦ガス(9533):2.4%安の4045円。27日午前に開示した4-6月期営業利益は前年同期比21%減の69億9300万円、前期比25%減を見込む通期計画の180億円は据え置き。同期間の平気気温は19.9度と前年同期と比べて0.7度高かった影響で家庭用などガス販売量が5.2%減少。また、原油価格が1バレル=79.5ドルと同17.1ドル上昇したことなどを受けて原材料費の増加が影響した。

  三陽商会(8011):8.7%安の1970円。18年12月期営業損益は16億円の赤字になりそうだと27日午前に発表、従来計画は5000万円の黒字から一転する。既存事業への宣伝販促費などマーケティング投資を抑制したことで上期までの売上高が不振。百貨店での販売が引き続き厳しい推移と予想しているほか、夏物マークダウン開始が6月後半に前倒しとなったことも下期売上高にマイナス影響があると想定する。

  プロレド・パートナーズ(7034):27日に東証マザーズに新規株式公開(IPO)。公開価格の4250円に対し初値は69%高の7170円。成功報酬を主体とした経営コンサルティング事業を展開。18年10月期の売上高計画は前期比41%増の14億3200万円、営業利益は2倍の5億6000万円、1株利益は213.72円を見込む。終値は8670円。
  

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