みずほ信託、年金ガバナンス支援に追い風-今年度残高1兆円に倍増へ

  • DB法改正で、ガバナンス強化や運営管理へのニーズ高まる
  • 高齢化対応商品が順調、信託の個人ビジネスの柱になる-飯盛社長

The Mizuho Financial Group Inc. headquarters stands at dusk in Tokyo.

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ信託銀行は、確定給付企業年金の安定運営を目指したガバナンス構築支援事業で今年度の受託資産残高が前年比2倍以上に増加すると見込む。企業年金のより厳格な運営管理を求めた法改正などが追い風となる。

  みずほ信託銀行の飯盛徹夫社長は19日、2016年に立ち上げたフィデューシャリー・マネジメント業務への需要が関連法改正などから高まっており、昨年度約4000億円だった受託資産残高(AUM)は「今年度中に1兆円を超える」との見通しを示した。同業務では年金基金に対し、運用に関わる意思決定のプロセス確立や、運用アセットミックスの見直し、また運用委員会の設置サポートなどを提供している。

  政府は確定給付企業年金(DB)法の改正で、年金基金に対し今年4月からのガバナンス強化や資産運用委員会の設置などを求めている。また、コーポレートガバナンス(企業統治)コードの改訂では、企業に年金運用のリスク管理や説明責任などアセットオーナーとして期待される機能を発揮することを原則として定めた。

  JPモルガン・アセット・マネジメント、グローバル運用商品部の國京彬クライアント・ポートフォリオ・マネジャーは、安定的にリターンを得るのが難しい運用環境下で、年金基金は運用の「アセットオーナーとしての責任を問われ始めている」と指摘。関連法などの改訂もあり、運用の知見や要件は「間違いなく以前より高いものが求められている」と述べた。

  飯盛社長は、同事業の国内市場は約10兆円と見ている。手数料は受託資産残高の0.05%程度だが市場規模が大きいことから事業の拡大余地も大きいとの見方を示した。同社は16年10月に資産運用部門をアセットマネジメントONEとして独立させており、飯森社長は、運用部門と切り離したことで利益相反への対応が充実し、高い公平性・中立性により他社と差別化が図れていると語った。

富裕層

  高齢化への対応も力を入れる。17年8月に発売した「選べる安心信託」では、認知症になったり判断能力が衰えても財産が守れるよう、金銭信託に介護サービス相談や住宅リフォーム紹介機能を持たせた。既に約750件の契約があり、受託金額は平均で4000万円弱、平均年齢は83.6才と高齢者ニーズをとらえた形となっている。飯盛社長は「信託の個人ビジネスでは間違いなく柱となる」商品と述べた。

  同商品の受託契約は最低3000万円からとなっている。飯盛社長は今後1500件程度の契約数となったところで総括をし、よりよい商品へ修正を図っていく意向だ。金融資産のある独居老人に高級ホテルの食事を自宅でとれる機会の提供や、警備会社以外の見守りサービスのあり方など模索したいと語った。また、金融資産が高齢者に偏る国内で、流動化を図る役割も果たしたいとしている。

  受託資産残高は19年度から始まる次期中計期間中に3000億円程度、将来的には「1兆円を目指せるビジネスにしたい」と同社長は語った。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE