住友鉱:EV電池材料の増産に遅れ、年内体制確立へ-テスラ向け

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  • ニッケル酸リチウム月4550トン体制は6月予定からずれ込み
  • 能力増強の工事で業者の人手不足などが影響

住友金属鉱山は電気自動車(EV)用の電池材料に使われるニッケル酸リチウムの生産能力増強が計画より半年程度遅れる見通しを明らかにした。

  当初は6月までに生産能力を月産4550トンまで増やす予定だったが、足元では3550トンにとどまる。主力生産拠点の磯浦工場(愛媛県新居浜市)での能力増強に向けた工事期間が想定よりも長引いており、2018年末までの完成を目指す。広報IR部の元木秀樹担当部長らが24日、同工場でブルームバーグなどに対して話した。

  住友鉱が生産するニッケル酸リチウムはパナソニックと共同開発したもので、リチウムイオン電池の正極材として使われている。全量をパナソニックに供給しており、パナソニックが製品化した電池を米電気自動車メーカーのテスラに納入している。増産体制構築の遅れによるパナソニックの生産への影響について、元木氏は「大きな影響は出ていないと聞いている」と述べた。

  住友鉱は昨年7月、40億円を投じて同工場のニッケル酸リチウムの月産能力を3550トンから今年6月に1000トン増やす計画を発表。現在、新設した工場建屋に生産設備の設置作業を進めている。同工場周辺は住友化学などの他の製造業の工場も集積する地帯。同様に設備工事を行っているところもあり、工事業者の人手不足の影響などから完成時期がずれ込んでいる。

  正極材は電池の性能を左右する重要な素材。住友鉱はニッケル鉱山の権益を保有する海外企業に出資し、ニッケル製錬事業も手掛けていることから安定的に原料を調達できる強みを持つ。資源、製錬と並ぶ収益の柱として材料部門を強化しており、電池材料が主力になる。

  テスラのEV生産拡大に伴い、住友鉱はここ数年、矢継ぎ早にニッケル酸リチウムの増強投資を図ってきた。13年には月産300トンの生産能力だったが、磯浦工場での増強や福島県楢葉町にも生産拠点を新設するなど大幅に生産能力を拡大。年末に4550トン体制が完成すれば、過去5年間で累計400億円超を投じ、生産能力は15倍に拡大することになる。

(3段落目に広報担当のコメントを追加します.)
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