【個別銘柄】信越化とエーザイ高い、建機も堅調、三菱自は下落

更新日時
  • 信越化は米国に塩ビ樹脂の新工場、エーザイはアルツハイマー薬期待
  • 建機は通商摩擦の影響小さいと野村証、三菱自決算物足りないとの声

25日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  信越化学工業(4063):前日比3.9%高の1万810円。子会社シンテック社が米ルイジアナ州に塩化ビニル樹脂の一貫工場を新設すると発表、投資額は14.9億ドル(約1650億円)で、完工は2020年末を目指す。モルガン・スタンレーMUFG証券は、18年末には原料エチレン設備が完成、今回の塩ビ樹脂増強もありシンテックの業績は大幅な拡大が続くと考えらると指摘。25日発表の信越化の第1四半期決算にも期待するとした。

  エーザイ(4523):3.2%高の1万1110円。ゴールドマン・サックス証券は、同社とアルツハイマー病治療薬を共同開発している米バイオジェンが24日に発表した4-6月決算に関し、注目のヒト化モノクローナル抗体「BAN2401」で良好なデータが得られ、アミロイドβを標的としたアルツハイマー型認知症治療剤をサポートする強固なエビデンスになったと指摘。決算発表を受けたバイオジェン株は3年ぶり高値となった。

  建機:コマツ(6301)が2%高の3404円、日立建機(6305)が2.5%高の3895円。野村証券は、資本財セクターの中で建機はFAや工作機械に比べて通商摩擦による直接影響が小さいとし、業界判断「強気」を継続。リスクは中国のデレバレッジ強化による工事量の減少だが、23日に中国の国務院会議で景気対策の方針が示され可能性は低いと指摘。投資判断は両銘柄とも「買い」を継続した。

  三菱自動車(7211):3.9%安の893円。4-6月期営業利益は前年同期比36%増の281億円、通期計画の1100億円に対する進捗(しんちょく)率は26%だった。SMBC日興証券は、前年同期比で卸売台数が7.3万台増加したことや良好なモデルサイクルを背景に前期第4四半期に336億円を計上していたことを勘案すると、為替影響が逆風になったとはいえ物足りない印象とした。地域別では、営業損益が33億円の黒字から27億円の赤字へと悪化した北米がやや懸念という。

  日立ハイテクノロジーズ(8036):2%安の4350円。4-6月期(第1四半期)決算を発表、プロセス製造装置・評価装置の電子デバイスシステムの受注高は334億円と前四半期の584億円から43%減った。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、四半期比較の受注減少は想定線だが、減少幅が大きいと市場からみられる可能性を指摘。決算説明電話会議のトーンも慎重で、短期的にはネガティブな株価反応になるとみている。

  非鉄関連:住友金属鉱山(5713)が3.8%高の4063円、三菱マテリアル(5711)が2.7%高の3080円、アルコニックス(3036)が7.9%高の1758円など。24日のロンドン金属取引所(LME)の銅先物は2.7%高のトン当たり6295ドルと、1月24日(3.3%)以来の上昇率だった。チリのエスコンディーダ鉱山で混乱の可能性が見込まれている点が材料視された。SMBC日興証券は住友鉱について、今期は銅を中心に金属市況が大幅に下落しているものの、会社計画の税引前利益に対し0-5億円の下振れにとどまると予想、在庫評価損に注意が必要とした半面、ニッケルや円安が業績を支えるとみる。

  ヤマトホールディングス(9064):1.7%安の3248円。傘下のヤマトホームコンビニエンス(YHC)が法人顧客に提供している引っ越しサービスで不適切な請求があり、過去2年間の調査の結果、2640社に対し合計約4万8000件、総額約17億円だったと24日に発表。JPモルガン証券は、ガバナンスが十分機能していない点はネガティブとし、さらなる遡及調査で影響額が拡大するか否か、ガバナンス強化などに注目する。

  アスクル(2678):2.4%安の3195円。JPモルガン証券は、投資判断を「オーバーウエート」から「中立」、目標株価を3900円から3200円に下げた。長期的な物流構想そのものは共感される一方、収益圧迫が想定以上に長期化する可能性があると指摘。ロハコの中長期ポテンシャルは引き続き評価したいが、期待を上回るトップライン成長を実現するにはまだ時間を要するとみる。19年5月期営業利益予想を95億円から58億円(会社計画60億円)、来期を124億円から89億円に減額した。
  
  富士通ゼネラル(6755):2.7%安の1778円。4-6月期営業利益は前年同期比65%減の23億8200万円だった。空調機部門、情報通信・電子デバイス部門とも売り上げが減少、生産地国通貨高や海外向け空調機の販売物量減なども響いた。SMBC日興証券では、営業利益は市場予想40億円(24日時点)を大幅に下回った、会社側は為替影響を除けばほぼ計画通りの進捗と説明したが、為替のマイナス影響(18億円減)は市場想定以上だろうとした。

  タムロン(7740):6.2%高の2148円。1-6月営業利益は19億5000万円になったもようと発表、従来計画を6億5000万円(50%)超過した。写真関連事業が好調で売上高が計画をやや上回り、販管費削減も奏功。18年12月通期営業利益計画を48億円から51億円に上方修正、売上高見通しは据え置いた。

  医薬品卸:スズケン(9987)が2%高の4855円、東邦ホールディングス(8129)が1.1%高の2829円。両社は薬歴管理作成などの顧客支援システムなどを共同利用することで合意した。野村証券は、合意は双方にとって収益性向上と顧客基盤の拡充につながる可能性があると評価。協業により収益基盤を強化することで、無用な価格競争による採算悪化が防がれることに期待を示した。

  総合メディカル(4775):4.9%安の2037円。4-6月期営業利益は前年同期比40%減の8億3200万円、調剤報酬改定や薬価改定の影響による薬局部門の減収が響いた。通期計画57億6200万円に対する進捗(しんちょく)率は14%。みずほ証券は、医薬品卸との薬価仕入交渉のほとんどは未妥結で、仮の仕入価格で決算を組んでいるため進捗(しんちょく)度は見え難いが、第一印象はスロースタートの厳しいイメージとみる。

  日本車両製造(7102):9.1%高の300円。4-6月期の営業利益は前年同期比2.3倍の15億9500万円だった。JR向け、海外向けが減った鉄道車両事業の大幅減収が響き売上高は22%減ったが、国内向け大型杭打ち機など建設機械の利益増加に加え、鉄道車両やエンジニアリング事業も採算性は改善した。前期比58%減の28億円を見込む19年3月通期計画に対する進捗率は57%。

  ブロードリーフ(3673):100円(15%)高の750円とストップ高。1-6月営業利益は15億4000万円になったもようと発表した。従来計画(9億5000万円)比で62%の増加で、システム販売分野が好調に推移した。据え置いた通期計画(33億円)については、現在精査中とした。

  GA technologies(3491):25日に東証マザーズに新規株式公開(IPO)。公開価格の2510円に対し初値は約2.3倍の5780円となった。家探しからリノベーション、資産活用などをトータルサポートする中古不動産のポータルサービス「Renosy(リノシー)」を運営、プラットフォームを通じ中古不動産の売買仲介なども行う。18年10月期の売上高計画は前期比82%増の174億円、営業利益は76%増の6億2600万円、1株利益は105.18円を見込む。終値は5550円。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE