中国鉄塔の香港IPO、貿易摩擦が冷や水-米国の神経逆なでも

  • 習主席は5Gで中国がリーダーになる目標掲げる-調達資金が後押し
  • 米中の貿易摩擦が激化する中、IPOのタイミングにリスク伴う
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

中国が掲げる第5世代(5G)移動通信システムでリーダーになるとの野心的な目標実現で鍵を握る国有企業の中国鉄塔(チャイナ・タワー)が、事業拡大に向けた資金を調達するため8月に上場する計画だ。世界の新規株式公開(IPO)で約4年ぶりの大きな規模となりそうだが、トランプ米政権との貿易摩擦がこれに水を差す恐れがある。

  中国鉄塔は8月8日に香港で上場する。IPO規模は最大87億米ドル(約9700億円)と、2014年のアリババ・グループ・ホールディング以来の大きさとなる可能性がある。中国鉄塔は国内無線基地局の約99%を運営し、通信会社3社からリース料を得ている。

  習近平国家主席は自動運転車にとって十分な速さでデータを送信、または数秒で長編映画をダウンロードできる5Gの無線ネットワークで中国が草分けになる目標を掲げており、IPOによる調達資金がこれを後押しする公算が大きい。通信技術は習主席肝いりの「中国製造2025」の一角も占める。

  しかし、米国が追加関税を課し、中国が報復措置で応じるタイミングでのIPOは特にリスクを伴う。貿易摩擦を巡る懸念から香港のハンセン指数は今年1月下旬に付けた最高値から14%下げている。

市場心理を圧迫

  中信建投国際の柳太勝アナリスト(香港在勤)は、「貿易戦争は市場心理を圧迫しており、中国鉄塔のIPOを巡る見通しの重しにもなる」と指摘した。

  さらに米中間の貿易摩擦によって、習主席の長期的なテクノロジー戦略における中国鉄塔の役割を売り込む能力が損なわれる可能性もあると、ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、デニス・ウォン氏は話す。

  ウォン氏は「この時期に5Gと中国製造2025を広く売り込むのはややセンシティブかもしれない」と分析。「米国の神経を逆なでするだけだ」と述べた。

Towering Over the Telecoms Industry

China Tower's revenue compared to other telecoms infrastructure companies

Sources: Bloomberg, China Tower

Note: Assuming completion of Indus Towers merger announced on April 25

原題:China’s $9 Billion Plan to Boost 5G Undermined By Trade War(抜粋)

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