みずほが出遅れ、3メガ業績公表へー日銀は副作用軽減検討か

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  • みずほの進捗率は三井住友F、MUFGに見劣りとの推計ー西原氏
  • 邦銀の貸出成長率は17年7月がピーク、その後低下
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

3メガ銀行は来週、日本銀行の金融政策決定会合開催とほぼ同日程で4-6月期の業績を発表する。日銀が超金融緩和に伴う市場機能の低下や金融機関の収益悪化など副作用の軽減策を検討すると報じられる中、各行はマイナス金利下での業績を公表。特にみずほフィナンシャルグループは出遅れそうだ。

  マイナス金利の導入から約2年半。国内銀行は貸出業務に頼らない収益構造を目指して、海外ビジネスの拡大や手数料ビジネスの拡充を図ってきた。しかし、超緩和の影響を跳ね返すには及ばず、2019年3月期の純利益目標は3メガ銀行ともに前年度実績を下回っている

減益予想

3メガとも純利益を減益としている

出所:各社資料

  4-6月期決算では、みずほFGの出遅れが目立つことになりそうだ。JPモルガン証券の西原理江シニアアナリストは、通期純利益に対する4-6月期の進捗率は三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が24%、三井住友フィナンシャルグループが25%であるのに対し、みずほFGは18%と予想する。

  ブルームバーグインテリジェンスのアナリスト、フランシス・チャン氏は「みずほFGの業績は第1四半期もそれ以降もぱっとしないものにとどまるだろう。預貸利ざやの縮小傾向が続き資金需要も停滞する中で収入の弱さが長引いている」と指摘。その上で「収益改善は内部の組織再編や人員削減、システム更改、支店網の効率化といった改革の推進にかかっている」と話す。

株価

  3社の株価は年初来軒並み下落している。融資の伸び悩みに加え、貿易摩擦で景気の先行き不透明感が高まっていることも要因だ。株価純資産倍率(PBR)は黒田東彦日銀総裁が16年1月にマイナス金利の導入を決めた当時の水準まで落ち込んでいる。

  ブルームバーグのデータによると、3メガ銀のうち三井住友F株の買いを推奨しているのは18人のうち15人、MUFG株は17人中12人なのに対し、みずほFG株は18人中1人となっている。

  SMBC日興証券の中村真一郎アナリストは19日付リポートで、みずほの4-6月期決算は政策保有株・ETFの売却益や与信費用戻入などを加味した連結純利益では22%程度の進捗となるが、単体の合算実質業務純益は下振れ基調で16%程度と推計した。

金融政策

  日銀による景気拡大を目指した金融政策は、ある時期までは奏功しているようにも見えた。ブルームバーグデータによると、邦銀の貸出残高の前年対比伸び率は17年7月に3.2%まで拡大した。当時、日銀幹部はこの理由を経済好調や不動産市場の活況によるものだと分析していた。しかし、その後は低下を続け18年6月末時点では0.6%となっているのが現状だ。

貸出成長低下

3%まで上昇した貸出成長が再び1%以下へ

出所:日本銀行

  銀行株は23日、上昇。日銀が31日の決定会合で金融政策の副作用軽減策を検討するとの報道が好感された。だが、一部の当局者らは銀行収益に悪影響を与えている副作用に対する抜本的な解決策はないとみている。

  全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は5月の定例会見で、日銀の金融政策は「わが国の経済情勢の改善に大きな効用・作用があった」と述べた上で、強力な金融緩和措置がこれからも長く続けられた場合、人々のマインドや金融システムへの副作用が生じ、「銀行収益の圧迫が金融仲介機能を減退させる可能性がある」と懸念を表明。日銀に対し「政策の効用と副作用についてしっかりと分析を行っていただきたい」と表明していた。

  4-6月期の決算発表は、三井住友Fが30日、みずほFGが31日、MUFGが8月2日の予定。日銀の決定会合は30、31日に開かれる。

(第10段落に全銀協会長の発言を追加して、更新しました.)
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