Photographer: Alessia Pierdomenico/Bloomberg

イタリアの連立政権に内紛の前兆-大衆迎合的な歳出計画で

  • サルビーニ副首相、財政規律でEUに挑戦する用意
  • 連立政権、減税や貧困層の所得支援制度の確立を計画
Photographer: Alessia Pierdomenico/Bloomberg

イタリアの連立政権は歳出を巡って内部抗争に向かいつつある。率直な物言いのサルビーニ副首相は欧州連合(EU)の財政規律を軽視する構えであるのに対し、財務相は慎重な姿勢を求めている。

  サルビーニ副首相は23日にミラノで記者団に対し、「イタリア国民がわれわれに投票したのは、暮らし向きをよくし、適切な年齢で引退でき、正気の沙汰ではない現行よりも低い税金を支払うためだ」と指摘。EUの財政規律の範囲内に赤字を維持したいが、「イタリア国民のためにEUの上限を超える必要があれば、それはわれわれにとって問題にはならない」と語った。

  この発言は、ブエノスアイレスで21、22の両日開かれた20カ国・地域(G20)で慎重論を唱えていたトリア財務相の見解とは相いれない。トリア財務相は「市場の信頼と不安定回避に必要な財政ルールの範囲内に明らかにとどまる」プログラムを政府が実施すると表明。ルールに反すれば借り入れコストが上昇し、成長を損ない、国の債務負担が悪化すると述べていた。

  投資家はポピュリスト政権に一定の節度をもたらす人物としてトリア財務相に期待を寄せているが、イタリア紙レプブリカが先週、国営預託貸付公庫(CDP)の経営陣人事を巡る権力争いで同財務相が追放される恐れがあると報道したため、懸念を強めていた。財務省は報道内容を否定。政府はCDPの新最高経営責任者(CEO)人事を決めた。

  イタリアとドイツの10年債利回り格差(スプレッド)は23日、4営業日連続で拡大し223ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を付けた。トリア財務相の進退を巡る懸念が落ち着く前の20日には227bpに達していた。

  連立政権を構成する「五つ星運動」の党首、ディマイオ副首相は今週、貧困層の所得支援制度を確立する選挙公約について、「実行しなければならない」と強調した。五つ星運動の試算では、同党の看板公約の実現には約170億ユーロ(約2兆2000億円)かかる見通しだが、イタリアの年金当局責任者によれば、コストは最高300億ユーロに上る可能性もある。

原題:Italy’s Populist Spending Plans Are Starting to Strain Coalition(抜粋)

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