中国の資本市場開放に不透明感-米大統領の圧力、逆効果の公算

  • 20年までの基本的な資本勘定の交換性実現、確率10%に低下と夏楽氏
  • 人民元の完全なフロート制実現には重要な課題が残ると胡偉俊氏

貿易戦争もいとわず中国に市場開放を迫るトランプ米大統領のやり方は、少なくとも資本規制に関する限り、逆効果となる公算が大きい。 

  中国は2016年に発表した計画の下で、20年までに「基本的な資本勘定の交換性」を容認することを目指しているが、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)のアジア担当チーフエコノミスト、夏楽氏によれば、今やその実現確率は10%に低下した。

  みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト、沈建光氏は貿易戦争について、「多くの不確実性をもたらす。『管理』と『市場の力に委ねる』との間で当局の裁量の余地が拡大する可能性が高い」と指摘した。

  人民元は3月末から7%を超える値下がり。貿易を巡る緊張がエスカレートし、弱い経済統計が金融緩和に向けたシフトを促している。特にトランプ大統領が340億ドル(約3兆7800億円)相当の中国からの輸入品を対象とする追加関税を6月15日に発表して以降の元の下落ペースは、中国政府が関税の影響を打ち消すため、人民元を武器として用いているとの観測を招いた。
 
  だがそうであっても、夏氏によると、元安の急加速が起きれば、当局がより大掛かりな介入に動き、改革努力が後退することになりかねない。マッコーリー・セキュリティーズの中国経済責任者、胡偉俊氏(香港在勤)は「人民銀が避けたいのは、自己実現的な元安だ」と分析した。

  「人民元は7-12月(下期)も下落するだろう。元相場が1ドル=6.8-7元という心理的な重要なレンジに近づけば、人民銀は介入を強める可能性が高い。中国が人民元相場の完全なフロート制を実現するには重要な課題が残っている」と胡氏は述べた。

原題:China’s Path to Free Capital Markets Hindered by U.S. Tension(抜粋)

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