貿易戦争はLNG船ブームに大きな影響及ぼす恐れ

  • LNGコストを引き上げる中国の関税を懸念-ガスログCEO
  • 「価格上昇によって需要の一部が崩れ始めることを懸念」

Australian LNG tanker 'Southern Cross' docks in China.

Photographer: VCG/Visual China Group
Photographer: VCG/Visual China Group

ブームに沸く液化天然ガス(LNG)市場は激化する米中貿易摩擦を乗り切る可能性がある。ただそのリスクは高まっている。

  これまでのところLNGは報復関税リストの対象外だ。LNG船保有会社の米ガスログのポール・ウォーガン最高経営責任者(CEO)は、この状況が変わるとLNGの新たな市場が広がりつつある矢先に価格が上昇し、購入の妨げになるとの見方を示した。

  ロッテルダムで新造船ガスログ香港の欧州で初のLNG充塡(じゅうてん)を見届けたウォーガン氏は「価格上昇で需要の一部が崩れ始めることを私は懸念している」と述べた上で、「そうした事態は現時点で起きていないが、関税のようなものがLNGのコストに付加されるのは好ましくない」と語った。
             

Who Supplies China With LNG Now

China's LNG import sources in 2017

Source: GIIGNL

              
  同氏によると、LNG需要が全般的に高い状態なら想定される関税の影響は和らぐ見通し。ただ、中国が米国産LNGから通常台湾や韓国、日本へ向かうオーストラリア産に乗り換えると、貿易の流れが変わる可能性がある。

  エナジー・アスペクツ(ロンドン)で天然ガス・石炭・炭素担当責任者を務めるトレバー・シコルスキ氏は「10%でさえ追加関税が発動されれば、他の東北アジアの買い手とLNGのスワップ取引が促されるだろう。こうした取引によって中国引き渡し価格のコストが上昇してもだ」と指摘した。
              

Demand Up, Supply Not So

LNG oversupply will turn into deficit without new plants

Source: Bloomberg New Energy Finance

  貿易紛争で米液化プロジェクト計画に中国の長期購入者が契約することも一段と困難になり、新規供給プロジェクトの最終的な投資決定が妨げられる恐れがある。ウォーガン氏は「これは懸念材料で、現時点で投資をやめるほど大きな懸念材料とは言えない」としながらも、「明らかに注意を払う必要があるものだ」と語った。

  ガスログは発注済みの5隻を含めて超低温燃料輸送向けタンカーを30隻保有。同氏によると、現在から2021年の期間に最大20隻の新船追加を検討しているが、顧客の需要、特に米LNGプロジェクトの進展状況に左右されると語った。

原題:Trump’s Trade War Casts a Long Shadow Over LNG Shipping Boom(抜粋)

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