日銀思惑で日経平均売り・TOPIX買いの動き-Fリテイリ安い

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  • 日銀ETF買い入れ方法の変更観測、銀行株のウエート引き上げ目的
  • TOPIXの下げは小幅にとどまる、NT倍率は急低下

日本銀行が金融緩和の長期化による副作用を軽減する方策を模索しているとの観測が広がり、23日の東京株式相場は円高懸念で下落。その中で株価指数の売買では日経平均売り・TOPIX買いが見られ、指数の下げに格差が出た。

  日経平均株価は前週末比300円(1.3%)安で終了。構成比が8.3%で最も高いファーストリテイリングは5.7%安の4万9900円と、3月23日以来の下落率を記録。一方、三菱UFJフィナンシャル・グループや第一生命ホールディングスなど銀行や保険株は軒並み上昇。金融株高が効いてTOPIXの下落率は0.4%にとどまった。

  時事通信は20日、日銀が0%程度としている長期金利の誘導目標の柔軟化を検討すると報道した。ロイターは日銀が金融政策の持続可能性を高める方策の検討に入り、長期金利目標や上場投資信託(ETF)など資産買い入れ手法の柔軟化などが選択肢になるもようと伝えた。

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  大和証券の細井秀司シニアストラテジストは「日銀がイールドカーブをスティープ化させるという話になるなら、銀行の業務純益にプラスになりやすい。金融株の比率を高める戦略をインデックスベースで実現しようとすると、日経平均を売って金融ウエートの高いTOPIXを買い直すことになる」と述べた。

  日銀のETF買い入れ手法に対する思惑も日経平均売り・TOPIX買いの動きを加速させた。日銀は2016年9月に買い入れ内訳を見直し、TOPIXのウエートを引き上げた経緯があるため、資産買い入れ手法の柔軟化の可能性が伝えられたことで、「TOPIXのウエートをさらに増やすのではないかとの思惑がある」と、大和証の細井氏は言う。

  きょう大きく下げたFリテイリ株について、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「日経平均構成比が圧倒的に高く浮動株比率が低いため、日銀がETFの買い入れ方法を変更して買い入れ金額・回数が低下したり、日経平均型の買い入れを減らすと厳しくなる」と述べた。Fリテイリは日経平均を112円押し下げ、下落寄与度1位となった。

  TOPIXへの影響が大きい銀行株が上昇する一方で、円高を受けた輸出関連株が下落すると、TOPIXと日経平均の比率であるNT倍率に低下圧力がかかる。このためNT倍率をもとに売買している向きから「Fリテイリに手じまい売りが出やすくなる」と、窪田氏は指摘した。13日に2000年以降で初めて13倍を超えたNT倍率はこの日、12.88倍に急低下した。

  ただ、日銀が金融政策を変更するとの見方は市場では多くない。大和証の細井氏は、日本のインフレや景気の状況、米中貿易摩擦による世界景気の減速懸念がくすぶり、ファンダメンタルズは「日銀がイールドカーブをいま何かしら変更しなければならないほど、足腰の強さを示しているようには見えない。完全な思惑相場だ」と、みていた。

(株式市況を更新し、記事を再構成します.)
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