債券下落、日銀の副作用対策巡る観測重し-指し値オペで下値限定

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  • 長期金利は一時0.09%、2月以来の高水準
  • 副作用対応に関する議論が出てくることは間違いないだろう-岡三証

The Bank of Japan.

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

債券相場は下落。日本銀行が来週に開催する金融政策決定会合で、大規模な緩和策の長期化で蓄積した副作用を軽減する対応を検討するとの観測を背景に売り圧力が掛かった。一方、金利の大幅上昇を受けて日銀が長期ゾーンを対象に指し値オペを実施したことから下値は限定された。

  23日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より6ベーシスポイント(bp)高い0.09%と、2月2日以来の高水準で寄り付いた。日銀が午前10時10分の金融調節で残存5年超10年以下を対象に指し値オペを通知すると、いったん0.065%まで買い戻された。その後はおおむね0.08%で推移した。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「日銀は指し値オペを実施して政策の大きな流れを変更する意図がないという姿勢を示した」と指摘。一方で、「来週の金融政策決定会合を控えて、副作用対応に関する議論が出てくることは間違いないだろうから、相場の戻りは鈍い」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前週末比52銭安の150円45銭で寄り付き、一時は150円36銭と、日中取引ベースで2月5日以来の水準まで下落。日銀オペ通知後は150円74銭まで値を戻す場面もあったが、結局は41銭安の150円56銭で引けた。

  日銀はこの日、残存5-10年を対象に指定した利回りで金額に制限を設けずに国債を買い入れる指し値オペを5カ月半ぶりに実施した。オペ結果によると応札はなかった。同時に通知された1年以下と1年超5年以下は各ゾーンとも買い入れ額が前回から据え置かれた。

  野村証券の中島武信クオンツ・ストラテジストは、指し値オペについて、「副作用対応のための政策微調整に関する報道を受けた金利上昇を放置することはできなかったと思われる。あすは40年債入札が予定されており、一段と金利が上昇した場合は緊急オペができないため、早めに手を打った可能性もある」と述べた。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧下さい。

  ロイター通信が複数の関係者の情報として20日に報じたところによると、日銀は30、31日の日程で開く金融政策決定会合で、利回り目標の柔軟化を検討する可能性がある。また、21日付の朝日新聞朝刊は、日銀が今回の会合では具体的な対応策について結論を出さず、声明文に緩和の副作用に配慮した政策を検討することを示す文言を盛り込む可能性があると報じた。

日銀の副作用対応に関する記事はこちらをご覧下さい。

  日銀の黒田東彦総裁は一連の報道について、「どういう根拠で報道されているのかも全く存じません」と述べた。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席するために訪れているアルゼンチンのブエノスアイレスで記者団に対して答えた。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債-0.110%+2.0bp
5年債-0.080%+3.0bp
10年債 0.080%+5.0bp
20年債 0.555%+8.0bp
30年債 0.775%+9.5bp
40年債 0.910%+10.5bp
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