ロシアが米国債を大量売却、トランプ・プーチン親交でも慎重にヘッジ

  • ロシアはイランから学び、資産接収に備えている-元中銀総裁
  • 4月から約9兆円相当を処分、厳しい対ロシア制裁がきっかけ

ロシア政府はプーチン大統領とトランプ米大統領の親交が両国関係を改善させると期待をかけているが、万一の事態に備えている。

  米財務省が今週発表した報告によると、ロシアはドル資産を記録的なペースで削減し、およそ2カ月で保有米国債の8割に当たる810億ドル(約9兆円)相当を売却した。この売却が始まった時期は、米国がプーチン大統領に近い新興財閥などを対象にこれまでで最も踏み込んだ制裁を科した4月と重なる。

Sharp Drop

Russia has reduced holdings of the U.S. debt after tough financial sanctions

Source: U.S. Treasury Department

  この報告は明確さに欠け、ロシアが実際に大規模な米資産を処分したのか、保有を隠すため外国に資産を移管しただけなのか判然としない。これに関して米財務省、ロシア銀行(中央銀行)ともコメントしないため、市場に臆測を呼んでいる。

  1995-98年までロシア中銀総裁を務めたセルゲイ・ドゥビニン氏は、制裁で資産を接収される可能性に備えた「ヘッジ」だと解説する。ロシアはイランの経験から学び、外貨準備を差し押さえられないよう、ドル資産を他の通貨に替えていると述べた。

  現在は国内第2の銀行である国営VTBの監査役会メンバーを務める同氏は、「米国債を売り、ドルのままどこかに保管しておくのは間抜けだ」と指摘し、「ロシア中銀はユーロや円などのハードカレンシーを買ったはずだ」と述べた。

  ロシア中銀が外貨保有の詳細について情報を更新するのはまだ先になるが、ドゥビニン氏の見方が正しいことを示す手がかりはすでにいくつか浮上している。同中銀のウェブサイトに掲載された月次統計によると、他の中銀や国際機関、外国銀行への
預け金額は4-5月に470億ドル相当も増加した。

原題:Putin Hedges Trump Bet by Dumping Treasuries to Safeguard Assets(抜粋)

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