【日本株週間展望】3週続伸、円安受け決算期待-通商懸念が上値抑制

  • 半年ぶりの1ドル=113円台、日電産や東エレクが業績開示へ
  • 米4-6月GDPは4%成長予測、住宅関連統計の動向は要警戒

7月4週(23-27日)の日本株は3週続伸する見通し。米国経済の堅調を背景に約半年ぶりに1ドル=113円を付けた為替の円安傾向から企業決算への期待感が広がる。半面、通商政策を巡る米国トランプ大統領の発言に翻弄(ほんろう)される展開は続き、株価指数の上値は抑制されそうだ。

  国内では主要企業の4ー6月期決算の発表が本格化、25日は信越化学工業日本電産ファナック、26日は日産自動車花王東京エレクトロン、27日には日立製作所コマツJR東海などが公表予定だ。農林中金全共連アセットマネジメントの山本健豪ファンドマネジャーは、「4-6月期はドル・円相場が企業の期初想定より5円以上円安となり、予想以上に良い決算が出るとみている。為替の影響が大きい自動車をはじめ、輸出セクターの株高が期待できる」と予想した。

東証正面と歩行者

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  直近の円安基調の一因として米マクロ経済の堅調推移が挙げられる。第4週も27日に4-6月期の国内総生産(GDP)が公表予定で、エコノミスト予想は前期比年率4%成長と1-3月期の2%増から伸び拡大を見込む。4%以上なら2014年7-9月期以来。ただし、23日の6月の中古住宅販売、25日の新築住宅販売については18日公表の6月住宅着工件数が9カ月ぶりの低水準となっており、住宅統計の動向は要注意だ。米国でも主要企業の決算発表があり、23日にアルファベット、25日にアドバンスト・マイクロ・デバイセズ、26日はアマゾン・ドット・コムやインテルが控える。

  一方、米国と中国、欧州連合(EU)などとの貿易摩擦への懸念は引き続き日経平均の2万3000円回復を拒む要因になり得る。19日にはトランプ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを「うれしくない」と批判、為替市場で円安が一服し、日本株下落のきっかけになった。EUが米グーグルに50億ドルの巨額制裁金を科したことにも「まさに米国を利用している」とかみつき、投資家は引き続きトランプ氏の過激な発言に神経をとがらせることになる。第3週の日経平均株価は週間で0.4%高の2万2697円88銭と続伸した。

<市場関係者の見方>
農林中金全共連アセットマネジメントの山本健豪ファンドマネジャー
  「日経平均は好業績を確認しながら2万3000円をうかがう。4月以降の円安寄与で、企業業績は期初に見積もった保守的な計画よりしっかりの内容が期待できる。また、トランプ米大統領が利上げをけん制しても為替市場の反応は限定的だった。FRBが金融政策で忖度(そんたく)するとは考えづらく、円安トレンドを大きく変えるとはみていない。米国では雇用改善が続く中、トランプ減税の効果があり、景気に対し弱気になる必要はない。TOPIXの予想PERは13.3倍と直近レンジの下限付近で割高感はなく、株価は上昇しやすい」

三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジスト
  「米国と中国両国は貿易摩擦問題の落としどころを見いだせずにおり、過去2週間に株高が進んだ反動で戻り売りが出やすい。日経平均は5、6月と同様に2万3000円で上昇一服となる可能性が高い。日本企業の業績好調が株価を下支えする。期初の想定よりドル高・円安で推移し、米国を中心とした世界経済の順調な回復も利益の押し上げ要因。外部環境は間違いなく追い風で、通期利益計画を上方修正する企業も出てきそうだ。米国の4-6月期GDPは前期比年率4%増が予想されるなど景気の好調ぶりを確認できそうなこともポジティブだ」

岡三証券の阿部健児チーフストラテジスト
  「週半ばから国内でも決算発表が本格化し、良好な企業業績を評価する買いが入る一方、貿易摩擦への懸念はくすぶり、上値は限られる。ドル・円の1-3月平均は1ドル=108円36銭、4-6月は109円17銭と円安で推移し、業績モメンタムは強い。想定レートを1ドル=105円とする企業が多く、堅調な決算が期待できる。一方、米欧の自動車関税に関する協議が予定されている。欧州側が譲歩しても、これまでのトランプ米大統領の強硬姿勢からみて、すぐに妥結とは考えにくい。欧州側が報復する可能性もあり、リスクとしてみておかなければならない」

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