パウエル議長:失業率のシクリカルな要素に着目か-漸進的利上げで

  • 4%の失業率の下でも、完全雇用に「まだ達していない」と議会証言
  • 持続可能な水準は短期とより長期では異なるとアトランタ連銀当局者

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週、多くのエコノミストが妥当と見なすよりも低い水準に、インフレ高進を引き起こすことなく失業率を低下させることが可能と考える理由について、1つのヒントを示したのかもしれない。

  18日の下院金融委員会での証言を踏まえると、パウエル議長は完全雇用の概念について、仕事が豊富な景気拡大局面では、インフレ高進を招かない失業率の水準を少なくとも一時的に押し下げるようなシクリカル(循環的)な要素があるのか、探っている可能性がある。

  アトランタ連銀の調査局長、デービッド・アルティグ氏はこうしたアイデアの信奉者の1人だ。アルティグ氏は、労働市場では現在もなお、失業者に算入されず労働力の枠外にある人々の中から働き手を見つけることができ、そうした流れが続く限り失業率が一段と低下してもインフレ加速は防がれるのではないかと指摘する。

  アルティグ氏は「短期的に持続可能なものと、より長期的に持続可能なものとは違う可能性がある。4.5%は長期的に持続不可能だと考えたからといって、1年ないし2年は3.5%が問題になるわけではない」と語った。

  確かにパウエル議長はこの理論を支持してこなかった。さらに、仮にこうした考え方に傾きつつあるとしても、米金融当局の現行の利上げの道筋からも後退していない。パウエル議長は今週の議会証言で、「当面はフェデラルファンド(FF)金利の漸進的引き上げ継続が最善策」だと述べた。

  それでも、このアイデアはパウエル議長の発言の一部を説明するのに役立つだろう。特に、米経済は「完全雇用に近づいているが、恐らくまだそこに達していない」とした議員への説明が該当しそうだ。

  6月の米失業率は4%と、パウエル議長を含む当局者が同月公表の経済予測で示した完全雇用と推計する水準をいずれも下回っただけに、この発言は目を引く。推計のレンジは4.1-4.7%で中央値は4.5%だった。

  パウエル議長が実際、このアイデアにオープンな姿勢であるならば、完全雇用に関する発言も物価圧力についての落ち着いた姿勢ももっと納得がいく。パウエル議長は、インフレを巡るリスクは「おおむね均衡」していると論じる一方、「インフレ率低下を若干ながらより懸念している」と話した。

原題:Powell Hints at New Read on Labor Force Justifying Gradual Hikes(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE