利回り曲線のフラット化は世界的潮流ーインフレや成長巡るリスク共有

  • オーストラリアやインドネシアなどでも国債スプレットが縮小
  • 特有の地域問題あっても、全てのカーブの傾向が一致-ワッカー氏

英国からインドネシアに至るまで、世界の債券投資家が国債イールドカーブ(利回り曲線)のフラット(平たん)化に一役買っている。これは貿易摩擦の緊迫化が経済成長やインフレ見通しを抑制している新たな兆候だ。 
   
  このトレンドは米金融当局による利上げから始まった。他の中央銀行も金融政策を引き締めつつあるが、新興諸国は下落する自国通貨を支えるために行動する必要があった。その結果、世界の市場の多くで短期金利が長期金利を上回るペースで上昇しており、イールドカーブのフラット化が示唆するリセッション(景気後退)のシグナルに注意を払う当局者にとって潜在的な懸念材料になっている。

  約2兆ドル(約225兆円)を運用するUBSグローバル・ウェルス・マネジメントのチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)でクレジット責任者を務めるトーマス・ワッカー氏は、「インフレと経済成長の長期トレンドに対する見方が世界の共通項だ」と述べた上で、「そこにはもちろん各国それぞれ特有の地域問題が幾つかあっても、全てのカーブの傾向が一致している」と指摘した。

  米国債の2年物と10年物の利回り格差(スプレッド)は2007年以降で初めて逆転する方向へ進む一方、比較可能な英国債のスプレッドも約2年ぶりの狭さとなっている。同じような傾向は中銀が先月利上げに踏み切ったインドやインドネシアのほか、オーストラリアでも見られる。
            

  平たん化するイールドカーブと貿易摩擦による世界成長への懸念は、景気悪化の可能性とリスクが高めの資産価格下落のヘッジとしてワッカー氏に米10年債の購入を促す一因となった。

  5兆1000億ドルを運用するバンガード・グループのシニアポートフォリオマネジャー、ジェンマ・ライトカスパリウス氏は「われはれは米金融当局が来年半ばまで四半期ごとに利上げを継続すると予想している」と述べた上で、「イールドカーブの平たん化が続かない理由は見当たらない」と語った。

  インドネシア国債は2年-10年物のスプレッドが今月一時9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、この2年で最も縮小した。 
              

  英国では、イングランド銀行(英中銀)による来月の利上げ予想がイールドカーブの平たん化につながっているほか、欧州連合(EU)離脱による経済への影響を巡る不安も長めの債券の買いを促している。

  英国債の5年物から30年物のイールドカーブのフラット化が続くと予想しているアバディーン・スタンダード・インベストメンツのファンドマネジャー、ジェームズ・エイシー氏は「離脱で英経済は悪化する運命にあると市場は確信している」と指摘した上で、「英経済は完全雇用の状態で、インフレ目標を上回っているため、英中銀は利上げに踏み切るだろう。この組み合わせはフラット化を意味している」と語った。
                    

              

原題:Curve Flattening Goes Global as U.K. to India Follow Treasuries(抜粋)

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