ドル・円は下落、米中摩擦激化懸念でリスク回避圧力ー112円台前半

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  • 仲値公表後112円62銭から午後に一時112銭21銭まで下落
  • 米中は貿易戦争だけでなく通貨安戦争も絡んでいる感じ-ソニーFH

東京外国為替市場でドル・円相場は1ドル=112円台前半に下落した。トランプ米大統領による米利上げやドル高・人民元安をけん制する発言などを背景に、米中摩擦激化懸念からリスク回避の円買いが優勢となった。

  20日午後3時21分現在のドル・円は前日比0.1%安の112円37銭。商業決済が集中する五・十日の仲値公表にかけて112円62銭まで上昇した後、一時人民元安が加速したのに連れて、午後に112円21銭まで下落した。その後は人民元や株価の持ち直しを受けてリスク回避の動きが和らぎ、下げ渋った。

  ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、米大統領の発言を受けて中国が人民元安誘導で応えたとし、「米中貿易戦争だけではなく、米中通貨安戦争も絡んできている感じ」と説明。「中国が人民元安誘導を止めなければ、トランプ米大統領もドル安が必要だと重ねてくると思う。中国に向けてということが分かっていても、ドルが全面安になる可能性もある。そうなるとドル・円の強烈な重しになってしまう」と語った。

  中国人民銀行(中央銀行)は20日、人民元の中心レートを1ドル=6.7671元と、前日の中心レートから0.9%元安方向に設定し、2016年6月以来の大きさで引き下げた。これを受けてオフショア人民元は一時0.7%安の6.8367人民元と約1年ぶり安値を更新したが、その後上昇に転じた。上海総合指数は一時0.7%安まで下落した後、2.4%高まで反発。一方、東京株式相場は続落。日経平均株価は一時200円超下げた後、下げ幅を縮小した。

  クレディ・アグリコルの斎藤裕司外国為替部長は、中国人民元の下落により、人民元からの資金逃避を警戒し、リスク回避の円買いの動きと説明。「トランプ大統領の人民元や米利上げに関する発言も影響している」と述べた。

  トランプ米大統領は19日、経済専門局CNBCとのインタビューで、中国人民元は「石のように落ちている」と発言、人民元が下落し、ドルが上昇していることで、米国は不利な立場に置かれているとの見解を示した。また、米金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があるとして、「うれしくない」と述べ、利上げを批判した。

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  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.1661ドル。ユーロ・円相場は0.1%高の1ユーロ=131円04銭で推移している。

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