【個別銘柄】海外憂い電通急落、半導体装置や非鉄安い、田辺三菱高い

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  • 海外広告需要に不透明感を示す材料が続くとの見方、非鉄金属は下落率1位
  • 台湾TSMC設備投資計画の下方修正は日系企業にネガティブ

20日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  電通(4324):前日比6.8%安の4705円。フランスの広告大手ピュブリシス・グループが19日に発表した第2四半期のオーガニック成長がマイナス2.1%、上期ではマイナス8.2%と低調だったことが嫌気され、同日のピュブリシス株は8.8%安と2016年6月24日(10%)以来、約2年ぶりの大幅安となった。英国の同業であるWPPも2.9%下落と連れ安し、海外広告市場の厳しい事業環境を懸念する売りが波及した。みずほ証券では、米オムニコム・グループに次ぎピュブリシスもコンセンサスから下振れ、海外の広告需要に不透明感を示す材料が続いていると指摘した。

  非鉄金属株:住友金属鉱山(5713)が3%安の3822円、東邦亜鉛(5707)が4.1%安の3725円。米国と中国との貿易摩擦による根強い需要減退懸念から、ロンドン金属取引所(LME)の銅先物は19日に1.4%安の6065ドルと反落、一時昨年7月以来となる6000ドルを割り込んだ。ニッケルや亜鉛、鉛価格も2%以上下げ、LME指定在庫の連続増加を材料にアルミも安く、市況安が業績押し下げにつながるとみられた。東証1部33業種で非鉄金属は下落率1位。

  半導体製造装置株:東京エレクトロン(8035)が3%安の1万8755円、SCREENホールディングス(7735)が2.4%安の8110円など。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は19日、18年の設備投資計画を従来の115億-120億米ドルから100億-105億米ドルに下方修正した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、日系のSPE(半導体製造装置)企業にとってはネガティブとの見方を示した。

  ヒロセ電機(6806):4.2%安の1万3230円。クレディ・スイス証券は投資判断を「中立」から「アンダーパフォーム」、目標株価を1万5500円から1万3000円に下げた。スマートフォン向けコネクターの低迷、工作機器受注のモメンタム悪化に伴うビジビリティ悪化など短期業績の不透明感が増していると分析。中期成長ドライバーとなる自動車向けコネクターも当面は固定費増先行で、業績寄与は来期以降との見方を示した。

  田辺三菱製薬(4508):7.5%高の2117円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券はリポートで、田辺三菱薬がノバルティスに導出した多発性硬化症治療薬「ジレニア(Gilenya)」について、米国で後発医薬品が出ない「独占期間」延長の可能性が出てきていると指摘、ロイヤルティー収入への影響に注目するとした。要因はノバルティスが保有する特許の有効性を米特許商標庁が支持したためで、ジレニアの米国での独占期間は来年8月までだったが、27年12月まで延長される可能性があると予想した。同証では、18年3月期のジレニアのロイヤルティー収入は577億円、約半分の300億円が米国の売り上げとみている。

  再生エネルギー関連:レノバ(9519)が13%高の2111円、イーレックス(9517)が4.1%高の1158円。日本企業の間で事業に使う電力を全て再生可能エネルギーで賄おうとする動きが広がってきた、と日本経済新聞が20日に報道。富士通や丸井グループなど10社が10-30年かけて段階的に再生エネに切り替えるという。大口需要家である企業の利用が広がると、発電や送電事業の投資環境改善など再生エネの普及に弾みがつく可能性があるとしている。

  ジャパンディスプレイ(6740):6%高の142円。SMBC日興証券は投資判断を「3(アンダーパフォーム)」から「2(中立)」に上げた。新たな目標株価は140円。足元の株価が目標株価並みに低下した中、北米最大手のスマートフォンメーカー向けの新液晶モデルは6月から量産投入を開始したもようで、今後は量産歩留まりや発売時期などが注目されるとしている。需要側から考察すると、価格性能比では液晶モデルの魅力度がより高まるとの見方も示す。

  日本ペイントホールディングス(4612):2%高の4835円。みずほ証券はリポートで、中国を中心としたアジアでの汎用塗料、自動車用塗料の需要拡大、買収した米塗料メーカーDE社の収益改善、国内の経費削減を背景に増収増益予想を継続した。18年12月期営業利益は会社計画(前期比4.1%増の780億円)に近い778億円、来期は909億円と予想。今期は国内で原材料高や販売促進費増加による減益を見込む半面、中国の出荷増や米DE社のフル寄与を想定する。目標株価は3700円から4400円に変更、投資判断「中立」は継続した。

  コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579):4.4%安の4150円。野村証券は、第2四半期(4-6月)の営業利益を前年同期比6%減の140億円と見込んだ。販売数量は全体で1%増とみるが、収益性の高い自販機は同4%減と厳しくチャネルミックスは悪化したと分析。店頭での販売状況をみると、6月半ばからコカ・コーラ社の一部商品が休売、終売、割当出荷になっており、生産ライン逼迫(ひっぱく)によるサプライチェーン、あるいは関連システムに問題が起きている可能性があると指摘した。

  シーイーシー(9692):6.7%高の4480円。いちよし経済研究所は新規にレーティングを「A(買い)」、フェアバリューを6000円とした。トヨタ自動車やファナックなど顧客基盤の厚さと自社ソフトウエア製品の開発力が強みだとし、製造業の工場IoT化の流れを受け、中期利益成長の加速を見込んだ。スマートファクトリー関連サービスが引き続き堅調で、19年1月期の営業利益は前期比20%増の45億円と会社計画41億5000万円を上回ると予想した。

  東京応化工業(4186):3.4%安の3875円。大和証券は投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」に下げた。業績予想を減額した上、潤沢なキャッシュを評価しても現状株価に特段の割安感はなくなったと判断する。スマートフォンなどの生産に力強さがない半面、材料販売の安定から上期営業利益は52億円と会社計画の40億円を上回るとみるが、固定費増加や高純度化学薬品の原料高、高密度実装材料の伸び悩みから18年12月通期の営業利益予想を145億円から会社計画と同じ110億円、来期を170億円から127億円に見直した。

  アニコムホールディングス(8715):5.6%高の4725円。日本経済新聞は20日、三井住友銀行が犬や猫の医療費を補償するペット保険の取り扱いを始めると報道。アニコム損害保険の商品で3つのプランから選べるようにするとし、大手銀行のペット保険販売は初という。

  DDホールディングス(3073):2.2%高の3075円。いちよし経済研究所はレーティング「A(買い)」を継続、フェアバリューを5000円から5200円に上げた。昨年子会社化し、ハワイアンレストラン「アロハテーブル」を展開するゼットン(3057)の収益が改善している点などを踏まえ、19年2月期の営業利益予想を27億円から28億5000万円(会社計画は前期比15%増の25億2900万円)、来期を30億円から31億円に増額した。

  ネクストウェア(4814):2.5%高の373円。KDDI(9433)と協業契約を結んだ。ケーブルモデムごとの接続アラームやサービス停止前アラームを検知するKDDIの「プロアクティブアラーム検知サービス」と、ネクストW子会社が開発した施設情報管理製品「Cadix-MapServer」が連携、技術スタッフの平均修復時間や故障発生後の現場出動回数の低減につながるとしている。ネクストWでは、ケーブルテレビ事業者に対し業務効率化を今後提案していく。

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