日本株は続落、米大統領の利上げ批判で円高ー機械など輸出や金融安い

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  • 利上げは経済を減速させている可能性-トランプ大統領
  • ドル・円は一時1ドル=112円20銭台、LME銅は一時6000ドル割れ

20日の東京株式相場は続落。トランプ米大統領が金融当局による利上げを批判して為替相場がドル安・円高に振れ、機械や電機など輸出関連が下落した。銅など商品市況安を受けて非鉄金属など市況関連、米長期金利低下で保険や銀行株も安い。

  TOPIXの終値は前日比4.61ポイント(0.3%)安の1744.98、日経平均株価は同66円80銭(0.3%)安の2万2697円88銭。

  SMBC信託銀行投資調査部の佐溝将司マーケットアナリストは、日経平均は2万3000円で頭打ち感があるところに「トランプ米大統領の発言が出てドル・円相場が円高に振れたことが影響し、週末ということもあり手じまい売りが出た」と指摘。「米国の関税政策は対中国がメインだが、自動車の輸入関税などで関係国が広がり不透明感が増している。貿易摩擦問題が決着する見通しが立たない限り、2万3000円の節目を上抜けるの難しい」とみていた。

東証前

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  トランプ米大統領は19日、CNBCとのインタビューで、金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があり「うれしくない」と述べた。中国の通貨が下落し、ドルが上昇していることで米国は不利な立場に置かれているとも言及した。

  トランプ大統領の発言に加えて、中国人民銀行(中央銀行)が20日、人民元の中心レートを2016年6月以来の大きさで引き下げたことから米中貿易摩擦への警戒感もくすぶり、ドル・円相場は1ドル=112円21銭まで円が上昇。前日の日本株終値時点は112円79銭だった。

  週末の日本株相場は円高による業績上乗せ期待の後退で小幅に下落して開始した。下げが小さかったことで株価の割安感を手掛かりに買いが入り、日経平均は一時前日比0.5%高まで上昇した。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「日経平均の予想PERは約13.5倍でアベノミクス以降の下限。発表が始まる企業決算は好調とみられるためさらに低下する見込みで、海外比較での割安感が強く、外国人投資家などの買いが入りやすい」と話していた。

  しかし午前半ばに、中国人民銀行が人民元の中心レートを2016年6月以来の大きさで引き下げたことを受けて為替相場で円高が進むと、日本株も再度下落に転じた。中国株も安く始まったため、「貿易摩擦の再燃を意識して日本株を慌てて売ったとみてとれる」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の三浦誠一投資ストラテジストは述べた。取引終了にかけては中国株が大幅高となり、中国人民元も上昇に転換したため、日本株も下げを縮小する展開となった。

日経平均と中国上海総合指数の推移

  業種別指数の下落率1位は非鉄金属。ロンドン金属取引所(LME)の銅先物は19日に一時1年ぶりに1トン=6000ドルを割り込んだ。大和証券投資情報部の石黒英之シニアストラテジストは「銅など非鉄金属価格の下落は世界景気鈍化への警戒につながり、景気敏感業種が多い日本株を下押しする要因」と述べていた。海運やゴム製品、鉄鋼、保険、卸売、機械も下落。食料品や石油・石炭製品、電気・ガス、陸運、医薬品、小売は上昇。

  売買代金上位では、仏ピュブリシス・グループの第2四半期減収で海外広告需要に不透明感が高まり電通が大幅安。台湾TSMCが18年の設備投資計画を下方修正し、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連も安い。多発性硬化症治療薬「ジレニア」の米国での独占期間延長の可能性を三菱UFJモルガン・スタンレー証券が指摘した田辺三菱製薬は大幅高。

  • 東証1部の売買高は概算で12億6202万株、売買代金は2兆3975億円
  • 値上がり銘柄数は672、値下がり銘柄数は1342 
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