トランプ氏、利上げ「うれしくない」-FRBの独立性脅かす発言

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  • FRBの独立性尊重から金融政策への言及避ける伝統を破る
  • 大統領の「長年の立場の繰り返し」ーホワイトハウス声明
Photographer: SAUL LOEB/AFP

トランプ米大統領は米金融当局による利上げを批判した。ホワイトハウスは20年余りにわたり、金融当局の独立性を尊重する立場から金融政策にコメントするのを避けてきたが、トランプ氏はこの伝統を破った。

  トランプ大統領は19日、経済専門局CNBCとのインタビューで、金融当局が借り入れコストを引き上げ、経済を減速させている可能性があるとして、「うれしくない」と述べた。「景気は上向いている。上向くたびに、彼らはまた金利を引き上げたいと考える。それに関しては私は不満だ。だが同時に、彼らが最善と考える行動を私は容認している」と続けた。

  連邦公開市場委員会(FOMC)はトランプ大統領が就任した2017年1月以降に5回利上げしており、うち2回は今年、トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)議長に指名したジェローム・パウエル氏の就任後に実施した。大統領はパウエル議長について「とても良い人物」と評価した。こうした個人的な賛辞を別とすれば、大統領は政治から一定の独立性を持つ政府機関に不満の矛先を向けた形となる。

  パウエル議長の4年間の任期は22年に満了する。連邦準備法によると、FRB議長は「正当な理由」がある場合のみ任期満了前に解任される可能性があるが、その具体的な定義はない。

  大半の先進国の中央銀行は政府から一定の独立性を付与されているため、金融政策が政治家の思いつきに屈することはない。FRB史が専門のペンシルベニア大学ウォートン校のピーター・コンティブラウン准教授は、「これはFRBにとっても大統領にとっても、中銀の独立性にとっても非常に危険なことだ」と指摘。FOMCが正当な経済的理由で利上げを停止した場合でも、今後は政治の影響と受け止められかねない。「けんか腰の大統領にFRBが屈したと受け止める人が」多く出てくるだろうと同准教授は述べた。

  パウエル議長は今週の議会証言で、「当面の最善策はフェデラルファンド(FF)金利の漸進的な引き上げの継続だ」と述べていた。

  FRBのミシェル・スミス報道官はコメントを控えた。ホワイトハウスのウォルターズ報道官は電子メールで配布した声明で、大統領は「FRBの独立性を尊重している」とした上で、大統領の金利に関する見解は「よく知られており、今日の発言はこうした長年の立場の繰り返しだ」と説明した。

原題:Trump Treads on Fed Independence, Scolding Powell Rate Hikes (2)(抜粋)

(中銀の独立性に関する識者のコメントなどを追加します.)
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