6月貿易収支2カ月ぶり黒字、対米輸出17カ月ぶり減

更新日時
  • 貿易収支は7214億円の黒字-予想中央値は5312億円黒字
  • 輸出は前年比6.7%増、輸入は2.5%増

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、6月速報で2カ月ぶりの黒字となった。財務省が19日発表した。

キーポイント

  • 貿易収支は7214億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は5312億円の黒字)-前月は5805億円の赤字
  • 輸出は前年比6.7%増(予想は7.0%増)の7兆524億円と19カ月連続の増加-前月は8.1%増
  • 輸出数量指数は1.5%増と4カ月連続の増加
  • 輸入は2.5%増(予想は5.3%増)の6兆3310億円と3カ月連続の増加-前月は14%増

背景

  米トランプ政権が3月に導入した鉄鋼・アルミニウムへの追加関税は、中国や欧州連合(EU)の報復措置につながり、貿易摩擦が激化する事態となった。米国、中国、EUは互いに世界貿易機関(WTO)に対して提訴し、正当性を訴えている。米国は自動車への追加関税も検討しており、適用されれば日本経済への影響は必至だ。

  貿易問題の不透明感が強まる中、日本とEUは17日、経済連携協定(EPA)に署名し、世界の国内総生産(GDP)の約3割(約21兆ドル)を占める経済圏を構築した。安倍晋三首相は会見で「保護主義への懸念が高まっている中で、日本とEUが自由で公正なルールに基づく貿易体制の重要性を世界に発信していく意味は極めて大きい。保護主義からは何も生まれない」と、米国をけん制した。

エコノミストの見方

  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミストは、米中の関税問題は日本にとっても「対岸の火事」ではないと指摘。工作機械や部品を日本から中国に輸出しており、貿易摩擦が過熱した場合は、日本にも「影響は出てくる」と述べた。
  • SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは貿易摩擦について企業に設備投資や生産体制の再考を促す可能性があり、センチメントに対して悪影響となりうるとの見方を示した。世界経済の好調を受けて現在は輸出も堅調だが、実体経済への影響は見極めていく必要があるとみている。

詳細

  • 輸出増に最も寄与した原動機は15.4%増、中国向け車両用エンジンが増加
  • 原粗油輸入は金額ベースで20.2%増-19カ月連続増
  • 対米黒字額は0.5%増-輸出0.9%減、輸入2.1%減
    • 輸出減は17カ月ぶり-自動車輸出は12%減で寄与度1位
    • 米国向け鉄鋼輸出は数量ベースで32.3%減、価格ベースで17.2%減
    • 輸出減が米通商政策の影響かは一概に言えないと財務省の担当者
(エコノミストコメントを差し替え、詳細を追加しました.)
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