日本株5日ぶり反落、コスト懸念で内需セクター安い-2万3000円壁

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  • 小売や食料品、陸運、電力売られる、石油や鉱業は終日上昇率上位
  • 米国の経済堅調や緩やかな利上げ期待で午前は上昇、午後伸び悩む

19日の東京株式相場は5営業日ぶりに反落。米国の経済堅調などを材料に午前は上昇して終えたが、連騰後の反動売りの影響や日経平均株価の2万3000円の壁が意識され、午後に失速した。原油高によるコスト上昇懸念もあり、小売や食料品、陸運、電力など内需株が安い。化粧品など化学株も下落。

  TOPIXの終値は前日比1.62ポイント(0.1%)安の1749.59、日経平均株価は29円51銭(0.1%)安の2万2764円68銭。

  岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジストは、「米国の経済堅調や企業の好決算、国内は為替の円安安定など好材料も多いが、米国による2000億ドルの対中追加関税や自動車関税の問題は引き続き残り、何か出てくると株式市場は無傷ではいられないため、買い進むことはできない」と言う。さらに、日経平均の2万3000円を超す水準は「5、6月ともに跳ね返されており、通商問題の好転がみられないと上抜けは難しい」との認識を示した。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米連邦準備制度理事会(FRB)が18日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、12地区のうち10地区が緩やかないし緩慢な成長を報告。また、FRBのパウエル議長は同日の下院金融委員会で、インフレ率について「当局の2%という目標に到達しそうだ。リスクはおおよそ均衡していると考えられる」と発言。漸進的な利上げ継続の姿勢をあらためて表明し、バランスシートの縮小計画を変更する予定はないと証言した。

  きょうの日本株は、米国経済の堅調と緩やかな利上げ観測から続伸して始まり、日経平均は午前に一時132円高の2万2926円まで上昇。前日同様に2万2900円台に乗せた。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米国の経済は雇用と消費の好循環が合わさり、引き続き強さが確認された。米金融政策の正常化も続くことから、ファンダメンタルズの安心感が株式市場の支えになる」とみている。

  ただし、午前にTOPIXが一時マイナス圏に沈んだのに続き、午後は日経平均も下落転換と徐々に失速。前日まで4日続伸した反動で売りが出やすかった上、良好な米ファンダメンタルズデータの中でも、みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは「米国の住宅着工件数の減少はリスクとして意識する。住宅ローン金利の上昇などが影響しており、住宅関連は裾野が広く、景気への影響に対する警戒は出やすい」と指摘した。6月の米住宅着工件数は前月比12.3%減の117万戸と市場予想132万戸を下回った。減少率は2016年11月以来で最大。

  また、為替市場で円安の動きが一服したことも株価指数の上値抑制要因の一つ。きょうのドル・円はおおむね1ドル=112円60銭-80銭台で推移、前日の日本株終値時点は113円00銭だった。朝方発表された6月の貿易収支は黒字額が7214億円と市場予想を上回り、日本銀行が国債買い入れの減額オペを実施する材料もあった。さらに岡三アセットの前野氏は、米国で19日から開かれる自動車の輸入制限に関する公聴会に注目する。「米国民の痛みとなって跳ね返る政策は難しいと思われるが、トランプ大統領は経済と労働市場の強さを背景に強気に出る可能性は否定できず、警戒は続く」と話していた。

  東証1部33業種はパルプ・紙、電気・ガス、食料品、小売、陸運、化学、精密機器、不動産など18業種が下落。上昇は石油・石炭製品、鉱業、海運、機械、銀行、空運、鉄鋼、証券・商品先物取引、電機など15業種。

  売買代金上位では、ジェフリーズが前年のハードルの高さからインバウンド売り上げの伸び率が鈍化する企業が増えると予想し、資生堂やコーセー、ポーラ・オルビスホールディングス、ピジョンなど化粧品・日用品関連銘柄が安い。半面、オランダのASMLホールディングの好決算でゴールドマン・サックス証券が半導体セクターをポジティブ評価し、東京エレクトロンやSCREENホールディングスが上昇。19日の日本経済新聞がイラン産原油の輸入停止に向け調整に入ると報じ、今後の市況高を見込む買いで出光興産や国際石油開発帝石も上げた。

  • 東証1部の売買高は12億660万株、売買代金は2兆1958億円
  • 値上がり銘柄数は942、値下がりは1086
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