アジア通貨のボラティリティー低下は「嵐の前の静けさ」-オアンダ

  • 集計データによると、新興国通貨全般では対照的に上昇した
  • ANZは米中摩擦でアジア通貨のボラティリティー上昇のリスク指摘

世界の新興国通貨のボラティリティーが今月上昇する中、アジア通貨は影響されないように見えてもだまされてはいけない。

  ブルームバーグが集計したデータによれば、域内の大半の国が経常黒字を計上し、人民元を安定維持する中国人民銀行(中央銀行)の今月の方針表明を受けて、アジア通貨の3カ月物インプライド・ボラティリティー(IV)は平均で今月、27ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下。対照的に、新興国通貨全般のボラティリティーは、米中貿易摩擦が予断を許さない中で4bp上昇した。

  オアンダのアジア太平洋地域トレーディング責任者スティーブン・イネス氏は電子メールで、「確かに嵐の前の静けさだ」と指摘。「貿易戦争を解決するのに6週間あるが、解決できなければアジア通貨は痛い目に遭うだろう。しかし、完全な世界的メルトダウンに向かう可能性もある中で影響が地域の市場だけにとどまるとは思わない」と述べた。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアジア調査責任者のクーン・ゴー氏は、アジアは他の新興国地域に比べて経済のファンダメンタルズが強いため米国の利回りや市場のボラティリティーの上昇をうまく乗り越えてきたが、リスクがなくなったという意味ではないと指摘。「アジア通貨のボラティリティーは抑制されているものの、その状態が持続するかどうかは、米中貿易摩擦の成り行きに大きく左右される」と述べ、「さらにエスカレートすれば、通貨のボラティリティーは上昇するリスクがある。特に、再び人民元安につながれば、他のアジア通貨に波及するだろう」と分析した。

原題:Asian Currency Volatility in Hiatus Amid Emerging-Market Tempest(抜粋)

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