米国の政治判断が原油のボラティリティー高めている-ゴールドマン

  • 戦略石油備蓄放出やサウジへの増産促す圧力など米政治判断挙げる
  • ゴールドマンはブレント原油価格が年内に80ドルを再び試すと予想

米国の政治判断によって世界の原油市場でボラティリティー(変動性)の高い状況が日常的になっており、価格を見通すことが困難になっているとの見方を、米ゴールドマン・サックス・グループが示した。

  ゴールドマンによれば、米国の戦略石油備蓄 (SPR)放出の可能性のほか、トランプ米大統領による増産を促す圧力の高まりにサウジアラビアが対処する兆し、米国による制裁再開に伴うイランからの原油輸出減少が起き得るタイミングを巡る不透明感の高まりというように、米国の政治判断が生産量の変化を増幅するといえる。

  ダミアン・クーバリン氏らアナリストは16日付文書で「こうした変化の程度やタイミングを巡る不透明感が、原油市場のファンダメンタルズ(需給関係)の短期的見通しを混乱させている」と説明。「市場が大規模で不透明な供給の変化にさらされる中、原油価格のボラティリティーは引き続き高い状態が予想される」と述べた。

  原油市場のボラティリティーは既に上昇している。投資家が米中貿易摩擦の激化や石油輸出国機構(OPEC)と、協調する非加盟産油国による増産計画の影響を見極めようとする中で、世界指標である北海ブレント原油価格は2カ月前に一時1バレル当たり80ドルを上回った後、約10%下落。一方で、カナダやベネズエラ産原油への供給懸念や米国のイランに対する制裁再開を背景に、原油市場では強気派が活気付いている。

  ゴールドマンのアナリストらは「イランの輸出が減る一方、米国からの政治的圧力でサウジが増産すれば、これらの要因、またはその影響の程度によって原油価格は押し下げられ得る」と指摘。「ファンダメンタルズを巡る不透明感が強まれば、高水準のボラティリティーの中でブレント価格は1バレル当たり70-80ドルのレンジで推移し、短期的には下振れリスクの方が大きい」との見方を示した。

原題:Goldman Sachs Says U.S. Political Policy Making Oil Volatile (1)(抜粋)

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