Photographer: Tomohiro Ohsumi

中国の景気下支え、単純な金融緩和以外に選択肢-米との貿易摩擦激化

  • 4-6月の成長率は鈍化、中国政府による対応が焦点に
  • 債務抑制の取り組み本格化、与信が原動力の大盤振る舞いは難しく

米国との貿易摩擦激化で脅かされる中国経済の下支えに向け、当局が持つ選択肢は単純な金融緩和以外にもある。

  16日発表された4-6月(第2四半期)の国内総生産(GDP)成長率は鈍化し、6月の工業生産も予想以上の減速となり、貿易摩擦が激しくなる中で中国政府が影響をどのように和らげるのかに焦点が移っている。しかし、債務抑制に向けた取り組みが本格化していることも踏まえると、与信を原動力とした従来型の大盤振る舞いはもはや望ましい選択肢ではない。

  HSBCホールディングスの王然エコノミスト(香港在勤)は、「内需の底堅さが景気の安定と市場の信頼感にとって極めて重要になってくる」と指摘。「中国政府には内需の一段の底上げに向けた手段がある」と述べた。

財政に余力

  中国は6月に環境保護や科学技術を中心に政府支出を増やした。財政省のデータを基にブルームバーグが推計したところ、6月末時点の財政赤字は7261億元(約12兆2200億円)と、今年想定の赤字(2兆3800億元)の約30%にとどまっている。

  財政支出は最近増えたものの、今年7-12月(下期)は前年同期に比べて中国当局にとって予算の制約を破らずに景気減速に対処するための財政余力が残っている。

Firepower in Reserve

China has more fiscal power for the rest of 2018 than last year

Source: National Bureau of Statistics; Bloomberg

  HSBCの王氏によると、地方政府は1兆3500億元に上る今年の特別債発行枠もほとんど使っておらず、「テクノロジーを中心としたビジネス投資の加速や、影響を受ける輸出産業の支援を目的とした意味ある減税余地は十分にある」という。

与信政策

  中国人民銀行(中央銀行)は今年に入り預金準備率を3回引き下げ、小規模・農村企業など対象を絞ったセクターへの流動性供給を目指している。だが、人民銀は現時点で「慎重かつ中立的な」金融政策を維持すると強調しており、広範囲にわたる緩和は今のところありそうにない。

  その代わり、中国当局は既に多額の負債を抱えている国有企業などに与信を回さず、経済の中心に資金が今後も行き渡るように、担保の変更や預金準備率を通じた信用政策の微調整を進めている。

  ブルームバーグ調査の予想中央値によると、人民銀は今年末までに0.5ポイントの預金準備率の追加引き下げに踏み切ると見込まれている。

Trailing Estimates

Aggregate financing often fell short of monthly forecast

Source: People's Bank of China, Bloomberg survey

原題:China Has Options Beyond PBOC to Bolster a Slowing Economy(抜粋)

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