貿易問題の緊張が激化とIMFが警告、世界経済へのリスク増す

  • 金融市場、リスクの高まりに油断-IMF世界経済見通し
  • 日本の今年の成長見通し引き下げ、低調な消費と投資が理由
Photographer: Ty Wright/Bloomberg

国際通貨基金(IMF)は貿易問題を巡る緊張激化で世界的な景気拡大局面が腰折れしかねないと警告した。すでに欧州や日本で成長が予想を下回り勢いが失われつつあるが、金融市場はリスクの高まりに油断しているようだと指摘した。

  IMFは16日公表した世界経済見通し(WEO)で、今年と来年の世界成長率予想を3.9%で据え置いた。これが実現すれば、2011年以来の高成長となる。

  だが、成長見通しにはほころびも見え始めた。IMFによると、ユーロ圏と日本の成長が息切れし始めるなど主要経済国・地域の一部はピークを過ぎた様子で、米国の減税と歳出拡大による景気押し上げ効果は後退する見通しだ。

Trade Volumes

Escalating trade tensions are threatening to derail a global upswing 

Source: International Monetary Fund

Note: Projections from 2018

  同時に、世界経済の下振れリスクは増しつつあるとIMFは分析。その筆頭に、貿易を巡る緊張が激化する恐れを挙げた。

  IMFのチーフエコノミスト、モーリス・オブストフェルド氏は、現在示唆されている貿易障壁が現実になる場合、全世界の国内総生産(GDP)は2020年までに現在の見通しより0.5ポイント前後低くなるだろうと予想。米国が争いの中心にいるため、同国経済が「特に影響を受けやすい」との見方を示した。

  米国の経済成長率予測では今年を2.9%、来年を2.7%とし、従来の見方を据え置いた。ユーロ圏については今年を2.2%とし、前回の予想から0.2ポイント引き下げた。来年も0.1ポイント引き下げの1.9%とした。

  中国の成長率見通しは今年6.6%、来年6.4%で前回から変わらず。日本は消費と投資の弱さを理由に今年の成長率予想を0.2ポイント引き下げ、1%とした。来年の見通しは0.9%で維持された。

Weaker Europe

The IMF cut growth forecasts for the euro area, the U.K. and Japan for 2018

Source: International Monetary Fund

原題:Risks to Global Growth Rising as Trade Tensions Grow, IMF Warns(抜粋)

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