今週の日本株は堅調、米決算期待と円安追い風

  • 米企業の4-6月決算が本格化、EPS20%増は達成可能との見方
  • 貿易摩擦は米経済にマイナスとパウエルFRB議長、議会証言に注目
Photographer: Kiyoshi Ota/

7月3週(17-20日)の日本株は堅調に推移しそうだ。景気良好な米国で企業の4-6月期決算の発表が本格化し、好業績期待や足元の円安推移が追い風になる。一方、米国と中国の貿易摩擦を巡り、両国の報復的な対応への懸念は根強いため、相場全体の上値は抑制される可能性がある。

  米国の企業決算は16日にバンク・オブ・アメリカやネットフリックス、17日にゴールドマン・サックス・グループ、18日にモルガン・スタンレーやIBM、19日にマイクロソフトなどがあり、欧州では18日にオランダの半導体製造装置メーカー、ASMLホールディングが発表予定だ。SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは、米企業の4-6月決算は「1株利益で前年同期比20%増のコンセンサスは達成可能。素直に好業績を好感した米国株の上昇が期待でき、リスクオンになりやすい」と予想する。

株式・為替ボード前の歩行者(イメージ)

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  経済指標は、東京市場が祝日休場の16日に米国で6月の小売売上高、中国で4ー6月期の国内総生産(GDP)が発表され、米国では17日に6月の鉱工業生産、18日に住宅着工件数、19日に6月の景気先行総合指数の公表も控える。市場予想は米国の小売売上高が0.6%増(前回0.8%増)、鉱工業生産が0.5%増(0.1%減)、中国GDPは前年同期比6.7%増(6.8%増)の見込み。米中景気の足元の堅調を確認し、半年ぶりに1ドル=112円台に乗せた為替の円安傾向の持続、中国上海総合指数の底打ち反転が確認できれば、日本株の支援材料になりそうだ。

  このほか、17日の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言に注目する市場関係者も多い。同議長は12日のラジオ番組で、「米経済は非常に良好」と述べた一方、高関税が長期間賦課されると、米経済にマイナスになる恐れがあると警告している。第2週の日経平均株価は週間で3.7%高の2万2597円35銭と4週ぶりに反発、円安進行などを材料に上昇率は3月4週(4.1%)以来、3カ月半ぶりの大きさとなった。

<市場関係者の見方>
SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  「米中貿易摩擦問題が小康状態を保つ中、米国の経済指標や企業決算で良好な数字が示される見通し。米国が2000億ドルの対中関税リストを発表してもドル安・円高にならなかったのは、貿易赤字の米国の方が政策余地が大きく、中国より優位とみられているほか、レパトリ減税で米企業の海外保有利益の国内回帰が背景にある。1ドル=110-112円なら、企業の今期想定105円前後からの業績上振れ期待が高まる。貿易摩擦で中国の報復的な対応やトランプ米大統領の過剰反応があれば、日経平均は300-400円程度下げるが、落ち着けば為替の安定から戻りやすい」

JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾グローバル・マーケット・ストラテジスト
  「良好な経済と企業業績を背景に米国では株高と金利上昇が進み、為替はドル高・円安に振れる公算が大きい。米中貿易問題は短期的に悪いニュースがなさそうで、500億ドルの相互関税は織り込み済み。2000億ドルの追加関税は、発動が早くても9月とみられ、歩み寄りの期待もある。FRB議長の議会証言は貿易摩擦を懸念するコメントがあっても、利上げに大きな影響を与えない。リスクは下旬から始まる日米貿易協議を前に、トランプ米大統領が前哨戦として日本に通商政策上のボールを投げること。自動車関税は日本経済への影響が大きく、警戒が必要」

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  「米中間の対立が深まる可能性は低い一方、トランプ米大統領の対中姿勢を予測できないことが株高を抑制する。国民の負担増につながる貿易摩擦の拡大は米国にもマイナスで、通商交渉がさらに過激化するとはみていない、ただし、大統領の発言一つで日経平均が数百円急落する地合いは変わらない。小売売上高など米国の経済指標は強めの内容が見込まれる。雇用環境が良好で賃金も上昇傾向、減税効果で企業収益も伸び、米国株の堅調が日本株にも好影響を与えよう。昨秋の上昇相場に乗りそびれた反省から、日本株が割安なうちに買いに動くことも考えられる」

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