OPECは限界まで原油生産増やす必要も、供給危機で-IEA

  • サウジアラビアの余剰能力、前例のない水準まで落ちる可能性
  • 余剰能力の脆弱性が石油価格を高止まりさせる状況続きそう

石油輸出国機構(OPEC)はベネズエラやイランなどからの供給減少をカバーするため、限界近くまで生産を増やす必要があるかもしれない。国際エネルギー機関(IEA)が12日発表した月間リポートで指摘した。

  ベネズエラの経済悪化と米政権によるイラン制裁、リビアでの生産混乱を受けて、原油相場は供給減少不安から3年ぶり高値付近で推移している。IEAはサウジアラビアが従来なかったほど余剰生産能力を活用する必要に迫られるかもしれないと予想した。

  「中東湾岸諸国とロシアの生産増加は、それ自体は歓迎だが、世界の余剰能力が限界まで使われるかもしれず、クッション効果が失われる犠牲が伴う。この脆弱(ぜいじゃく)性が現在の石油価格の背景で、そのような状況は続きそうだ」との見方を示した。

OPEC's Shrinking Defenses

Saudi Arabia's spare capacity may fall to `unprecedented' levels

Source: IEA

Note: July capacity assumes Saudi output of 11m b/d

  IEAの予想によると、ベネズエラの生産能力は年末までに日量100万バレル未満に落ち込む可能性があり、今年全体で40%余りの減少となる。イランはトランプ政権による制裁を背景に欧州向け輸出が既に半分近く減少、全世界への輸出はこれを上回る減少幅になる可能性があるという。こうした供給減をカバーしようとしているのがOPEC最大の産油国サウジアラビアで、同国の6月の生産量日量は過去3年で最も増え、43万バレル増の1046万バレルに達したとIEAは説明した。

  その上でIEAは、サウジアラビアの生産が来月に過去最高の日量1100万バレルに達すれば、2カ月の期間としては2011年以来の大幅増産になるとし、さらに増やせば、危機時のための同国の余剰生産能力が「日量100万バレル未満という前例のない水準」に落ちるとも付け加えた。

原題:OPEC Output May Be Stretched to Limit by Supply Crises, IEA Says(抜粋)

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