米財務省国際局、過去1年足らずに約20人のキャリア官僚が退職

  • 国際局は財務省内で通商政策についての中枢の役割を果たす
  • 政権の政策を支持できないケースや次官に不満の例も-関係者

米財務省国際局では、過去1年足らずに約20人のキャリア官僚が退職した。トランプ政権が中国や欧州との貿易摩擦をエスカレートさせる中、同省でその対応に当たる重要部局からの人材流出となる。

  一連の流出が始まったのは、トランプ大統領の保護主義的メッセージの擁護者の1人であるデービッド・マルパス氏が、同局を統括する国際問題担当の財務次官として就任直後の昨年9月だ。オバマ前政権の終わりには、国際局の人員は約200人に上っていた。

  事情に詳しい関係者6人によれば、退職者の中には、トランプ政権の通商政策を支持することはできないと判断したケースや、一部の公務員を軽視したり準備不足だったりするとしてマルパス氏への不満を理由とする例もあった。

  財務省のトニー・セーグ報道官は、マルパス氏および国際局に関してコメントを求められ、同氏を擁護。「マルパス次官は財務省指導部の主要な一員であり、大統領選以来、財務長官とは強力な関係にある。国際金融に関する同次官の専門知識は、財務長官と政権の重要な優先課題を推進する上で不可欠となっている」と語った。

  同局の人員流出は、トランプ政権の経済政策と、その実施を担う多くのキャリア官僚の見解との間に深い溝があることを浮き彫りにするものだ。退職した官僚の何人かは数十年にわたり民主・共和両党政権の下で働いてきた。

  財務省の元高級官僚で、現在はTCWグループの新興市場担当マネジングディレクターであるデービッド・ロービンガー氏は「人的資本の喪失はすぐに取り戻すことができない」と述べるとともに、公務員は「制度的知識と経験を提供する存在だ。彼らは国際通貨基金(IMF)や世界銀行、主要7カ国(G7)、20カ国・地域(G20)にどう対処するか知っており、物事を成し遂げるスキルを持っている」と指摘した。

  マルパス氏が率いる国際局は、財務省内で通商政策についての中枢の役割を果たす。トランプ政権が米国の技術への中国投資を制限するための重要な手段とする対米外国投資委員会(CFIUS)も同局の所管。

  米国が中国のほか、欧州の同盟国に新たな関税を発動し、大統領がカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)を破棄することも辞さない考えを示す一方で、同局の人員流出は政権の経済政策の実行に向けた財務省の取り組みを困難なものにしかねない。

原題:Treasury Struggles to Keep Staff in Unit at Heart of Trade War(抜粋)

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