日本株は反発、米PPI上昇後に意外な円安ー内需、輸出一角買われる

更新日時
  • 為替は一時1ドル=112円38銭、半年ぶりのドル高・円安水準
  • 米中貿易問題への警戒感解けず、情報・通信や医薬品が上昇率上位

12日の東京株式相場は反発。米国の生産者物価の上昇を材料に為替が半年ぶりのドル高・円安に振れ、企業業績の行方を楽観視する買いが入った。米ヘッジファンドによる株式購入が判明したソフトバンクグループなど情報・通信や医薬品など内需株中心に、自動車など輸出株の一角も高い。

  TOPIXの終値は前日比7.80ポイント(0.5%)高の1709.68、日経平均株価は255円75銭(1.2%)高の2万2187円96銭。

  しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、「米国景気の好調や貿易問題の織り込みを踏まえても、足元の為替は予想外の円安水準で、今期業績への期待から日本株には先物の買い戻しが膨らんだ」と言う。2000億ドルに及ぶ米国の対中国関税リストの公表も、金額は以前からの報道範囲内で、「制裁発動が9月になる可能性があり、その場合は中間選挙の日程からもこれ以上の関税拡大は見込みづらい」との認識を示した。

東証内

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  米労働省が11日に発表した6月の生産者物価指数(PPI)は、前年同月比3.4%上昇と2011年11月以来、最大の伸び率となった。食品とエネルギーを除くコアPPIは2.8%上昇し、ともに市場予想を上回った。

  米金融当局による利上げが進むとの見方から、きょうのドル・円は一時1ドル=112円38銭と1月10日以来、半年ぶりの水準までドル高・円安が進行。前日の日本株終値時点は111円07銭だった。また、中国商務省の王受文次官は米当局者に対し、新たな2国間交渉を通じた対立解消を呼び掛ける一方、ホワイトハウスのウォルターズ報道官は米政権は中国との協議受け入れる用意があると述べた。

  円安を材料にきょうの日本株は上昇して始まり、日経平均は午後に一時301円高まで上げ幅を拡大。しんきんアセットの藤原氏は、企業想定を上回る円安で中間期には業績上方修正が期待でき、「日経平均の予想PERをアベノミクス後のレンジ下限14倍、予想EPS1676円で算出すると、8月上旬までの決算発表シーズンにかけ、2万3000円台半ばまでの上昇が見込める」と言う。

  もっとも、輸出セクター以上に終日堅調な動きを見せたのが通信や医薬品、食料品、電力など内需株。アイザワ証券の清水三津雄日本株ストラテジストは、「米国の対中強硬姿勢が続くことで世界経済が減速するリスクもある。米長期金利が3%に向け上昇しないのは来年以降の米景気を不安視しており、不透明感が内需関連銘柄への資金シフトを促している」とみていた。

  東証1部33業種は水産・農林、情報・通信、医薬品、精密機器、輸送用機器、電気・ガス、食料品、保険、陸運など20業種が上昇、下落は商品市況安を受けた鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属、海運、卸売など資源セクターほか、繊維や鉄鋼など13業種。売買代金上位では、米ヘッジファンドが10億ドル相当の株式を取得したソフトバンクグループ、モルガン・スタンレーMUFG証券が目標株価を上げたエーザイ、第1四半期事業利益が増益のユニー・ファミリーマートホールディングスが高い。一方、村田製作所やJXTGホールディングス、住友金属鉱山は安い。

  • 東証1部の売買高は11億9258万株、売買代金は2兆3081億円
  • 値上がり銘柄数は1181、値下がりは820
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