パウエルFRB議長悩ます長期債利回り低迷、鍵はタームプレミアム

  • 金融危機時の施策からの円滑な脱却でタームプレミアムはマイナス圏
  • 米金融当局は市場の動揺招くことなく利上げや債券保有の縮小進める

パウエルFRB議長

Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、低水準にある長期債利回りに当惑しているかもしれない。だが、この謎に対する答えの少なくとも一部は、金融当局が政策運営で成功を収めている事実にある。

  ウォール街のストラテジストから見れば、米10年債利回りの低位安定の理由の多くは、米金融当局が市場の動揺を招かずに短期金利を引き上げ、保有債券のポートフォリオを縮小することができている点にある。

  当局が金融危機時の施策からの円滑な脱却を進めていることによって、期間が長めの債券保有に当たり投資家が通常求めるタームプレミアムはマイナス圏で推移。さらに、過去4週間の米10年債の相場上昇で、タームプレミアムは年初来最低の水準に向かっている。

  期間が長めの債券相場の底堅さはイールドカーブ(利回り曲線)を長短逆転の方向に押しやる一因であり、重要な影響がある。こうした現象が経済について発するシグナルに懸念を抱く当局者には、悩みの種だ。

  しかし、市場の観点からは、タームプレミアムがゼロ以下の状況や低水準の利回りは、米金融当局の政策正常化の下で世界経済の緩衝材として機能するなら、それほど悪いことではないかもしれない。

  インテレクタス・パートナーズのチーフエコノミスト兼信用ポートフォリオ管理責任者、ベン・エモンズ氏は「漸進的なペースでしか利上げしないという当局のメッセージは人々の心に非常に深く根付いているため、大半の投資家はサプライズのリスクはないとみている」と指摘する。

  エモンズ氏はさらに、「インフレ率は当局の目標に達したものの、それが加速するリスクが本当にあるとの見方は皆無だ。仮にそうでないとすれば、タームプレミアムはもっと高くなっているだろう」との考えを示した。

原題:Fed’s Crushing of Term Premium Is Key to Powell’s Yield Puzzle(抜粋)

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