CLO大量発行が市場ブームを冷ます恐れ-スプレッドさらに拡大へ

  • 大量供給と過去のディールの「リセット」でスプレッドに上昇圧力
  • 市場からはかなり積極的に後退した-リソース・オルツのマネジャー

ローン担保証券(CLO)の新規発行が既に最も活発な年の一つとなっている今年、リセット(再構成)や借り換えがさらに進めばスプレッドは一段と拡大し、一部の投資家は新規発行市場から撤退する可能性がある。

  投資家の一部で警戒が強まっている上、主要な買い手である日本の投資家にヘッジコストが不利な方向に向かう中、7-12月(下期)の発行増加は一つの試金石になるかもしれない。CLO取引自体と原資産のレバレッジド・ローン双方における発行体に有利な条件も一部投資家を遠ざけている。   

  リソース・オルツのポートフォリオマネジャー、マイク・ターウィリガー氏は「非常に過熱しており、現在の市場における取引構造には幾らか潜在的な懸念があるとわれわれはみている」とし、「CLO市場からはかなり積極的に後退した」と語った。過去3年は積極投資で成功を収めた同社だが、今年はCLOエクスポージャーの増加分を500万ドル(約5億5500万円)未満にとどめている。

  米裁判所がリスク保持ルールを解除し、同時に金利上昇に伴い変動金利証券に対する投資家の買い意欲が高まる中、新規発行市場は今年これまでに大きく膨らんだ。ブルームバーグのデータによると、年初来では前の年の同じ時期に比べ38%増の730億ドルとなっており、これは2016年の同じ時期を170%上回る。総残高は1年前の4500億ドルから5400億ドルに急増した。 
          

U.S. CLOs Hit First-Half Record

Broadly syndicated loan and middle market sales eclipse 2014

Data compiled by Bloomberg and JPMorgan (2014)

  JPモルガン・チェースのアナリストらは、今年は1300億ドル相当の新規発行に加え、借り換えやリセット目的の供給が1150億ドルに上ると予想。ウェルズ・ファーゴはさらに強気で、今年の新規発行は総額1500億ドルとみている。ブルームバーグのデータによれば、17年の総発行額は1198億5000万ドルと、年間ベースでは1240億ドルだった14年に次いで多かった。

  この供給ラッシュのさなかにスプレッドが広がっている。新規発行の最高格付け「AAA」トランシェの最小スプレッドは3月に92ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)まで低下したが、これは比較可能な足元のディールよりも10-15bp程度低い水準だ。

  JPモルガンのアナリストらは6月のリポートで、年内の特に7月と10月にリセットあるいは借り換えが見込まれる大量のコーラブルCLOがスプレッドに対するリスクになり得ると指摘。つまり、市場が「スプレッド・デュレーションを数多く売り出し」ており、こうしたリセットや借り換えなどがCLO市場を「共食い」する可能性があると記した。

 

YTD Pricing VolumeNumber of DealsYTD Volume ($m)
New Issue BSL CLO12065,748.518
New Issue Middle Market (MM) CLO127063.37
Re-Issue3017,163.564
Hybrid CLOs53109.1
Total CLO New Issue Volume16793,084.552
CLO Refi/Reset14468972.019
Refis4720,016.647
Resets:9748,955.372

             
原題:Flood of New CLOs May Cool Booming Market, Push Spreads Wider(抜粋)

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