ドル・円上昇、米対中関税警戒も対立激化は回避との見方-111円前半

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  • 米通商問題でドル・円が上下する展開は続きそう-三井住友AM
  • 中国の具体的対抗措置は現時点ではなさそうとの見方優勢に-NBC

東京外国為替市場のドル・円相場は小幅上昇。米国政府が2000億ドル相当の対中関税リストを公表したことから米中貿易摩擦への懸念が再燃し、相場は下げる場面があったものの、中国政府による反応が限定的だったことなどから上げに転じた。

  ドル・円は11日午後3時7分現在、前日比0.1%高の1ドル=111円09銭。米国の対中追加関税リスト報道を受けて、ドル売りが先行。日本株が売られ、米長期金利も低下する中で、一時は110円77銭まで下落した。米国に対する中国当局者の発言が報じられると株や金利の戻しとともに戻し基調となり、111円14銭まで上昇する場面があった。前日の海外時間には5月以来の高値となる111円35銭を付けた。

  三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、米追加関税を受けた市場の動向について、「2000億ドルの関税のリストが出たということで、緊張感が戻ってきた」と指摘。「111円台に乗せてきて、定着できるかなと思っていたところにこれが来た。この通商問題でドル・円が上下する展開は続くと思う」と述べた。

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  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、「朝方のドル・円の下落で追加関税リストに対する初期反応は終わり、焦点は中国の反応だった」とした上で、「中国当局者のコメントを見る限り、現時点では具体的な対抗措置など特に何もなさそうだということでドル・円や株、金利の戻りにつながっている」と述べた。

  中国商務省の李成鋼次官補は記者団に対し、「米国は世界の貿易秩序を踏みにじっている」とした上で、「米国の行動に強く反対する」と述べ、対抗措置を取る方針をあらためて表明した。

  三井住友アセットマネジメントの市川氏は「関税の発動までは2カ月くらいかかるということで、すぐには無いにしても、動き出しているということで警戒感が強い」とした上で、「欧米株が崩れると、110円台前半もあるかもしれない。円高方向のリスクは残る」との見方を示した。

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