Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

米政府、22兆円相当対象の対中関税リストを発表ー中国は対抗措置へ

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  • 中国商務省:米の動きは全く受け入れ難く、報復せざるを得ない
  • 商務省の声明は報復措置の内容には言及せず

トランプ米政権は10日午後(日本時間11日午前)、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当を対象とする新たな関税リストを発表した。これを受け中国商務省は11日、米国の動きは「全く受け入れ難い」として、報復せざるを得ないと表明した。

  ただ、中国商務省のウェブサイトに掲載された声明は、どういった報復措置を計画しているかには言及していない。

  米国の関税リスト発表を受け中国株は下落、人民元も下げ、アジアの市場は総じて値下がりした。上海総合指数は一時1.9%下げ、香港ハンセン指数も1.4%安を付けた。元相場はドルに対し0.36%下げ、1ドル=6.6646元。

  米通商代表部(USTR)の10日の発表資料によれば、10%の追加関税は一般からの意見公募や公聴会が終わる8月30日以降に発効する可能性がある。同リストの対象品目は衣料品、テレビ部品、冷蔵庫、その他のテクノロジー製品。ただ、携帯電話など注目度が高い品目の一部は除外された。

  今回の関税が実施されれば、中国からの輸入品の約半分に追加関税が課されることになる。

  貿易戦争は共和党に加え、米実業界も愚かなことだと批判、エコノミストらは久しぶりに好調となった世界経済に打撃となり得ると警告している。しかしこうした中でもトランプ大統領に姿勢後退の様子は見られない。新たな対中関税が発表されれば、北朝鮮の非核化で協力が必要な中国政府から反発と報復措置を招くことはほぼ確実視されてきた。米中の公式協議継続の兆候は見られないことから、両国はこのまま行けば長期的な貿易戦争に突入しかねず、そうなれば経済成長は阻害され、企業のサプライチェーンは脅かされる。

  米政府高官2人は、中国が不公正貿易慣行や米知的財産権の侵害に関する米政権の懸念に対応しなかったため、米国は新たな関税導入に踏み切らざるを得ないと記者団に説明した。5月に始まった米中間の通商協議でも、貿易摩擦解消の打開策は見つからなかった。

  ライトハイザーUSTR長官は電子メールで送付した声明で、「1年余り前からトランプ政権は中国に対し、不公正慣行の廃止や市場開放、市場による真の競争に踏み切るよう辛抱強く促してきた。中国は、米経済の未来をリスクにさらす行動を改めていない。われわれの正当な懸念に対処するどころか、中国は米製品への報復を開始した。このような行為は決して正当化できない」と述べた。

  米上院のハッチ財政委員長は同リスト発表を直ちに批判、「向こう見ず」であり、「対象を絞り込んで」いないと指摘した。

  小売事業者経営者協会(RILA)のハン・コーク副会長は新たな対中関税リストが報じられたことを受け、発表資料で、「大統領は『中国には最大限の痛みを、消費者には最小限の痛み』をもたらすという自らの公約を破った。米家計が罰せられることになる」と指摘。「貿易に依存する消費者や企業、米雇用が、エスカレートしている世界的な貿易戦争に脅かされている」と述べた。

  トランプ政権は今月6日、数カ月にわたった警告の後、直接の対中関税としては初となる340億ドル相当の中国製品への25%の追加関税を発動させた。この関税で対象にされたのは耕運機や通信衛星など。中国は直ちに米国産大豆や自動車への同規模の報復関税を実施した。

  米国は月内の公聴会を終えた後に160億ドル相当の中国製品への追加関税を発動させることを検討している。中国はさらなる報復関税を表明している。

  トランプ大統領は先月、10%関税の対象とする中国からの輸入品2000億ドル相当を特定するようUSTRに指示していた。その後、大統領は実質的に中国からの輸入品全てに関税を賦課する可能性があると表明した。

原題:China Vows Fightback Against Trump’s $200 Billion Tariff Threat(抜粋)

(市場の動きや背景などを追加して更新します.)
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