パウエルFRB議長にインフレ高進の悪夢-グローバル化反転なら

  • トランプ米政権の通商政策で世界的なサプライチェーンの構築後退も
  • 選択肢が減って質が低下し生産性は低くなり価格は上昇へ-アダムズ氏

1つのカラフルなグラフが米金融当局者の間で流布している。ミシガン大学の経済学教授、マーク・ペリー氏が考案したものだ。

  同氏自身とエコノミストが世紀の秀作かもしれないと売り込むこのグラフは、グローバル化の流れをトランプ米大統領が反転させた場合、多くの物品の価格上昇とインフレ加速の可能性といったパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長ら当局者が直面しかねない問題を暗示する。

  同グラフでは、玩具やテレビなど海外の競争にさらされる物品の価格が過去20年で下落したのに対し、入院費や大学の授業料などいわゆる非貿易財の価格は上昇してきたことがうかがえる。

  チャートとその含意について米金融当局者と議論した国際金融協会(IIF)のティモシー・アダムズ専務理事は「グローバル化を反転させることになれば、選択肢が減って恐らく質が低下し、生産性は低くなり価格は上昇するだろう」と語った。

  グローバル化は物価にとって、インフレを抑制する逆風として作用してきた。だが、それに異変が生じた場合、国や企業が国際市場から撤退に動き、先行きインフレ高進を促す可能性がある。それはトランプ大統領による追加関税発動の一時的な影響と相まって、漸進的な金利引き上げの道筋を描く米金融当局にとって、一段と急ピッチの利上げを迫る圧力として働くことになりかねない。

  多国籍企業が過去何十年も続けてきたグローバルなサプライチェーン構築の動きを後退させ、代わりに本国での生産拡大に専念するようになれば、経済的な影響が広がるだろう。ミシガン大のペリー氏は「世界経済における生産効率に長期的な影響が生じる」と指摘する。そして恐らくインフレ動向にも響くことになりそうだ。

原題:Chart of Century Gives Powell Gloomy Glimpse of Trade-War World(抜粋)

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