円が全面安、株高でリスク選好-ドル・円は5月以来の111円台前半

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  • 豪ドル・円は一時6月以来の83円台、ユーロ・円は5月以来の130円台
  • 貿易問題にやや飽きも、円キャリーの話出やすい-ステート・ストリ

東京外国為替市場では円が全面安。世界的な株高を背景にリスク選好の円売りが優勢となった。ドル・円相場は5月以来となる1ドル=111円台前半を回復した。

  10日午後3時39分現在のドル・円は前日比0.2%高の111円08銭。前日は米国株高や米金利上昇を背景に110円90銭までドル買い・円売りが進行した。この日も日本株の上昇や米金利の上昇を背景に値をじりじりと切り上げ、午後には111円20銭と5月21日以来のドル高・円安水準を付けた。

  ステート・ストリートの若林徳広在日代表兼東京支店長は、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)の動きにドル・円がつられて上昇している感じ」だとし、「株高を受けて全体的なリスクオンもある」と説明。実際、米中貿易問題については「ややマーケットも飽きている部分がある」と言い、「本来なら貿易のかなりの影響を受ける」オーストラリアドルの対円での上昇などをみると「円キャリーの話も出やすい」と話した。

  9日の米株式相場は3営業日続伸し、S&P500種株価指数はほぼ1カ月ぶり高値となった。10日の東京株式相場も続伸し、日経平均株価は270円近く上げる場面があった。一方、米10年債利回りは前日に2.856%と前日比で3ベーシスポイント(bp)余り上昇し、この日の時間外取引では2.86%前後へ水準を切り上げている。

  リスク選好の動きからオセアニア通貨が堅調。オーストラリアドルは対円で一時1豪ドル=83円台、ニュージーランドドルは1NZドル=76円台と、それぞれ6月以来の高水準まで買われた。ユーロ・円相場も1ユーロ=130円60銭と5月23日以来のユーロ高・円安水準を付けた。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「米中貿易問題も金曜以降はまだ新たなものがない中で、リスク環境は戻している。株高やボラティリティー低下というキャリー相場的な環境下でクロス円主導でドル・円も気が付いていたら押し上げられているということはありそうだ」と指摘。ただ、貿易問題や米利上げの先行きなど不確実性があり、「どんどん上がるというのものまた難しそう」と話していた。

  ユーロ・ドル相場は0.1%安の1ユーロ=1.1742ドル。ユーロ・円の上昇に伴い1.1763ドルまで強含んだが、米金利が上昇する中、午後には1.1732ドルと前日のニューヨーク安値を下回る場面があった。

  ポンド・ドルは前日に引き続き安い。ジョンソン外相などの閣僚辞任が直ちにメイ首相の信任投票につながるとの懸念が後退し、午前は1ポンド=1.32ドル台半ばで小動きだったが、欧州連合(EU)離脱交渉の先行き不透明感が強く、午後には1.32ドル台前半へ弱含む場面があった。

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