日産フィナンシャルサービスが3、5年債を延期-親会社の排ガス測定不正直後に

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  • 5年物CDSは44.8bpと10.8bp拡大、2年超ぶりの高水準に
  • 7月に予定していた3、5年債の発行を延期、再開時期は未定
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

新車排ガス測定値の改ざんが表面化した日産自動車の社債保証コスト(CDS)が急上昇した。日産自子会社は予定していた起債を延期した。

  CMAによると5年物CDSは不正を発表した9日、44.8bpと前日から10.8bp拡大した。16年5月以来の高水準になる。日本企業126社の平均は横ばいだった。日産自は9日、排ガス測定の手続きに不適切な行為があったと発表、規定の条件を満たさない環境で試験をした上、測定値を書き換えて検査報告書を作成していた。対象は19車種1171台で、昨年の完成検査問題発覚後も不適切な行為が続けられていた。

  これを受けて子会社の日産フィナンシャルサービスは10日、予定していた社債発行を延期した。日産Fは日産自が発表した不適切行為を踏まえて「延期することを決定した」と電子メールでコメントした。日産Fは6月29日、3年債と5年債の7月起債に向けて主幹事にみずほ証とSMBC日興証券とメリルリンチ日本証券を指名していた。みずほ証によると起債再開時期は未定。

  朝日ライフアセットマネジメントの大芦尚広シニアファンドマネジャーは、日産自グループの不正について「最近はESGの観点を含めて特に年金を預かるようなわれわれの業態は、きちんと見ているのかを問われる」と指摘。「ガバナンスがしっかりしないとクレジットとしてもマイナスに捉えざるを得ない」と述べた。グループの新発債では投資家でいったん様子見が起きてもおかしくないとしている。

信用力

  SMBC日興証券の阿竹敬之クレジットリサーチ課長、林樹一郎クレジットアナリストは10日付リポートで日産自について、国内生産車の約 6 割が輸出されているとして「米国などでのリコールが最大のリスクだと考える」と指摘した。リコールがなければ業績への影響はそれほど大きくないがガバナンス体制の不備を露呈することとなったなどとして「中長期的な信用力にネガティブと言える」と記した。

  S&Pグローバル・レーティングの天野待知子氏は日産自について、ブランド毀損(きそん)での大幅販売減や不正検査問題での費用拡大などで利益率が低下する可能性が高まったり、リスク管理体制や内部ガバナンスに深刻な欠陥があると判断した場合には「格付けへの影響を見直す可能性がある」と述べた。今後1カ月くらいに出てくる第三者の監査の結果や今後の国内販売動向にも注目していくとしている。

  世耕弘成経産相は10日の記者会見で日産自について「安全規制に関する事案なので国交省がしっかり対応していると認識している。日産自はユーザーにこれ以上不安が広がらないように万全に対応していただきたい」と述べた。

(第1段落からCDSの急上昇を追加して更新します.)
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