離脱支持派議員らはメイ英首相に退陣迫らず-当面の危機は回避か

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  • メイ首相の穏健な離脱案に抗議し、離脱派の「顔」だった外相も辞任
  • 不信任投票手続きを勧めるのに十分な同意は集まっていないもよう

メイ首相

Photographer: Simon Dawson/Bloomberg

メイ英首相の穏健な欧州連合(EU)離脱案に抗議して、デービスEU離脱担当相に続きジョンソン外相も辞任しEU離脱の先行きが不透明になる中、同首相は危機の回避に取り組んだ。

  EU離脱キャンペーンの顔とも言うべきジョンソン外相の9日の辞任により、政府の混迷は深まった。外相辞任直後に行われたメイ首相の議会演説は本来なら、6日の特別閣議で合意に至った成果を誇るはずだったが一転、EUからの穏健離脱方針の擁護に終始することとなった。

  ただ、離脱支持派の議員らはメイ首相に退陣を迫らず、新たな政策の必要性を強調したことから、直ちに危機に陥る可能性は後退したようだ。首相に対する不信任投票の手続きを統括する保守党議員委員会のグラハム・ブレイディ委員長も、同手続きを進めるのに十分な同意は集まっていないと示唆した。

  メイ首相はジョンソン氏の後任外相にジェレミー・ハント保健・社会福祉相を指名した。ハント氏は当初、EU残留派だったがその後、見解を変え、国民投票を今行うなら離脱を支持すると述べている。

  メイ首相は下院で、不信任の動きに対抗するかどうかとの質問には取り合わず、自身の離脱案は国民投票の結果への裏切りだとの見方を否定し「私は英国民の望みの実現を推し進めている」と述べた。また、さらなる辞任があると思うかとの問いに、「英政府の職務には1つの関心事しかない。英国民の仕事であり繁栄を確かなものにすることだ」と答えた。

  辞任が注目を浴びれば、党首交代の動きのきっかけになり得る。ジョンソン氏ないし同氏のスタッフが辞表を夜のニュースに間に合うよう首相府発表の前に公表したことは、ジョンソン氏が首相就任に引き続き関心を持っていることを示唆する。

夢が死のうとしている

  ジョンソン氏は辞表でメイ首相のこれまでの行動を厳しく非難。メイ政権は「重大な決断」を先延ばししており、「合意なき」EU離脱の可能性への備えが不十分だと指摘。「無用な自信喪失によって息を詰まらせ、夢が死のうとしている」とした上で、「まるで白旗を掲げさせて先陣を戦いに送り出すかのようだ」と述べた。

  メイ首相はジョンソン氏が閣議合意に背を向けたことに「驚いた」と反論。「われわれは英国のためにこの合意を守らなければならず、それには支持が必要だが、あなたが支持できないというなら辞任すべきだろう」とし、「われわれが到達した合意には、閣僚全員の完全な同意が不可欠だ」と説明した。

  メイ首相は下院での演説後、保守党議員の会合に出席。自身の離脱案を説明し、質問に答えた。議員の1人は退室する際、会合では一部から反対意見が出たものの、最後は歓声で締めくくられたと語った。

原題:May Fights to Contain Brexit Crisis After Key Ministers Quit (2)(抜粋)

(外相の辞表内容などを追加して更新します.)
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