7月9日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ポンド下落、外相辞任で英政局が混迷ー円は軟調

  9日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが3週間ぶり高値から下げに転じた。英国のジョンソン外相が欧州連合(EU)離脱の政策を巡って辞任したことから、メイ首相に退陣圧力が高まる可能性が出ている。ただ、早急に首相不信任案につながるとの懸念が弱まり、ポンドは下げ渋った。

  ジョンソン外相辞任への反応として、ポンドは一時0.7%下落したが、その後下げ渋った。保守党の党首選を組織する通称1922年委員会のグラハム・ブレイディー委員長は、首相不信任案の提出には十分な票が集まっていないことを明らかにした。その後、ジェレミー・ハント氏が外相に指名された。

  ポンド安に加え、ユーロが下げに転じたため、一時0.4%下げていたドル指数は反発した。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が慎重な政策運営方針をあらためて示したことが、ユーロ売りを誘った。

  ドラギ総裁はECBは忍耐強く持続的かつ賢明であるべきだと発言。通貨同盟は未完成だと述べた。クーレ理事は現在の金融政策について、かなり順調に推移していると話し、ECB政策委員会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は、マイナス金利が恒久的であってはならないと語った。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前営業日比0.1%上昇。ドルは対円で0.3%高の1ドル=110円85銭。対ユーロではほぼ変わらずの1ユーロ=1.1751ドル。ポンドは対ドルで0.2%安の1ポンド=1.3260ドル。

  世界的な債券利回り上昇やリスク選好の高まりを背景に、円は軟調となった。三菱電機が米中関税の影響で米国での一部製品値上げを検討していると伝わったこともドル買い・円売りを誘った。

欧州時間の取引

  ユーロが3週間ぶり高値を付けた。ECB当局者がタカ派的なトーンを維持したことが買いを誘った。
原題:Sterling Drops as U.K. Political Turmoil Deepens: Inside G-10(抜粋)
Pound Pares Loss Amid Focus on U.K. Political Drama: Inside G-10
Euro Gains as Pound Advances on Soft-Brexit Bets: Inside G-10

◎米国株・国債・商品:株が3日続伸、S&P500は約1カ月ぶり高値

  9日の米株式相場は3営業日続伸。S&P500種株価指数はほぼ1カ月ぶり高値となった。貿易を巡る緊張の高まりや国外の政治情勢を巡る懸念を受け流し、決算シーズンに注目している。ドルは主要通貨に対して上昇し、米国債は下落した。

  • 米国株は3日続伸、S&P500種は約1カ月ぶり高値
  • 米国債は下落-10年債利回り2.86%
  • NY原油はほぼ変わらず、不安定な地合い
  • NY金は上昇、英EU離脱計画巡る不確実性で逃避需要

  S&P500種とダウ工業株30種平均ともに上昇し、ダウ平均はテクニカル分析上の重要な水準を上抜けた。

  S&P500種株価指数は前週末比0.9%高の2784.17。ダウ工業株30種平均は320.11ドル(1.3%)上げて24776.59ドル。米国債市場ではニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回りが4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.86%。

  ニューヨーク原油先物市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はほぼ変わらず。カナダの主要オイルサンド施設で生産が再開されるとの報道を市場が消化する中で不安定な地合いとなり、小浮動した。エネルギー会社サンコアは、停電の影響で操業を停止していたアルバータ州の製油プラントでの生産見通しについて説明した。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は5セント(0.1%)上昇の1バレル=73.85ドル。

  ニューヨーク金先物相場は上昇。メイ英首相の欧州連合(EU)離脱計画を巡る不確実性が強まる中で逃避需要から金が買われた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.3%高の1オンス=1259.60ドル。

  企業の決算シーズンが今週から始まり、市場の関心が貿易戦争からそれる可能性がある。また米雇用統計など6日発表された経済データは市場のセンチメントにプラスとなった。

  チャールズ・シュワブ・インベストメント・マネジメントで株式を担当する最高投資責任者、オマー・アギラー氏は「特に先週の米雇用統計発表以降、市場は貿易戦争を巡る懸念を振り払い、先を見据えることができているようだ」と分析。「決算やファンダメンタルズへの注目が高まっているのは、明らかに良い兆候だ」と続けた。

  今週は米国でインフレ関連指標が発表される。また国債入札も実施される。企業決算では、JPモルガン・チェースやシティグループなどが発表を予定している。
原題:U.S. Stocks Rally as Dollar Gains, Treasuries Slip: Markets Wrap(抜粋)
Oil Futures Lose Steam on Imminent Return of Canadian Supplies
PRECIOUS: Gold Futures Advance as Brexit Woes Boost Haven Demand

◎欧州債:英国債が上昇、ジョンソン外相辞任で政治不透明性強まる

  9日の欧州債市場では、英国債が上昇。ジョンソン英外相の辞任が発表された後、日中高値付近にあった同国債利回りは下落に転じた。英国の政治的不透明性はドイツ債も押し上げた。

  ECBの買いに後押しされ、利回り曲線は最近フラット化していたが、その巻き戻しでスティープ化。

  サンタンデール銀行は政治的な混乱の中で英国債のうち5年債の投資妙味が最も高いと指摘。短期金融市場が織り込む8月に0.25%の利上げがある確率は73%。6日は78%だった。ジョンソン外相の辞任後、英国債先物の出来高は急増。5分間で5000枚の取引があった。

  ドイツ10年債利回りはほぼ変わらずの0.3%、同30年債は3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.03%。ECBの「オペレーション・ツイスト」を巡る最近の報道を受けた動きは後退した。
原題:Gilts Drop After Johnson Resigns; End of Day Curves, Spreads(抜粋)

(NY外為、米国株・国債・商品を更新します.)
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