日産:排ガス測定値など書き換え、完成検査問題後も不適切行為

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  • 日産自動車九州を除く国内全工場で2013年から最近まで行われていた
  • GT-R以外では保安基準との適合性や排ガスの諸元値との合致確認

日産自動車は9日、排ガス測定の手続きに関して不適切な行為があったと発表した。完成検査時の排ガスなどの測定で規定の条件を満たさない環境で試験を行ったほか、測定値を書き換えて検査報告書を作成していたとしている。

  日産自の発表資料によると、日産自動車九州を除く国内5工場で通常の環境を逸脱した排ガス・燃費測定試験が行われていたことや測定値の書き換えが行われていたことが確認された。対象となるのは19車種1171台。少なくとも2013年4月から最近まで行われていたとしており、昨年の完成検査問題発覚後も不適切な行為が続けられていたことになる。

  再検証の結果、スポーツカー「GTーR」をのぞいたすべての車種で保安基準の適合性と、型式としての排ガスの平均値が諸元表の数値を担保できていることを確認したとしている。燃費についてはすべての対象車種が諸元値を担保していることを確認したとしている。GT-Rについては生産台数が少ないため、全数測定して検証を継続しているとした。

  日産自の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は横浜市の本社での会見で、新たな問題行為は完成検査問題に対する再発防止策を実施する中で発見されたとし「現状の課題の根深さ、われわれの取り組みの進捗(しんちょく)がいまだ道半ばであることを痛感している」と話した。今月末までに設備を測定値の書き換えができないシステムに変更するなどの対策を取るが、リコールの必要はないと判断していると述べた。

  日産自をめぐっては昨年、無資格の作業員が完成検査を行っていたことが判明。その後も同様の行為を繰り返していたことが発覚し、国内の全工場で国内向けの出荷を約2週間停止した。昨年11月には同問題の調査を担当した第三者委員会が、問題の背景に人員不足や制度への規範意識の薄さなどがあったとする報告書を提出していた。

  排ガス測定に関して会見を行うとの報道を受けて日産自株は9日の取引で前週末比プラス圏から下落に転じた。一時5%安の999.5円まで売り込まれ、取引時間中の水準としては昨年4月14日以来の安値となった。終値は1003.5円だった。年初来では11%の下落で日経平均株価やトピックスのパフォーマンスを下回っている。

  SBI証券の遠藤功治アナリストは、日産自は昨秋以降の完成検査問題から国内販売の巻き返しを図ろうとしていたなかのことで、「非常に印象が悪い」と指摘。問題が繰り返し発覚し、会社の体質が悪いと思われて買い換えや注文のキャンセルが出てくるかもしれないとし、「国内販売に影響は出ざるを得ないだろう」と述べた。

  国土交通省は9日、日産自に対して今回の問題について1カ月をめどに調査結果を報告するよう指示したほか、他の自動車メーカーにも同様の事案がないか確認を求めた。

(日産幹部の会見での発言や外部コメントなどを追加します.)
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