債券は下落、リスク回避後退で売り圧力-20年入札控えて超長期債安い

更新日時
  • 長期金利は0.035%、新発20年債利回りは0.48%にそれぞれ上昇
  • ドル・円相場上昇、金利が低下する環境ではない-パインブリッジ

債券相場は下落。米通商政策を巡る先行き不透明感を背景にしたリスク回避の動きが一服したことや、明後日に20年利付国債の入札を控えて売り圧力が掛かった。

  10日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の351回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高い0.035%で寄り付き、その後も同水準で推移した。超長期債も売られ、新発20年債利回りは1bp高い0.48%に上昇した。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「海外金利を気にしながらの展開。ドル・円相場も上昇してきており、金利が低下する環境ではない」と指摘。また、「20年債入札ではなるべく0.5%近くで買いたいという感があり、調整の動きが出やすい。入札までは超長期債が売られる展開が見込まれる」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比4銭安の150円93銭で取引を開始。日経平均株価が続伸して取引を開始すると売り圧力が強まり、一時150円90銭まで下げた。結局は150円93銭で引けた。

  米国と中国間の貿易摩擦を巡る懸念は相互の関税発動を通過して一服感が生じる中、9日の米国市場では株高・債券安の展開となった。この日の東京株式相場は日経平均株価が3営業日続伸。外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=111円20銭と、5月下旬以来の水準までドル高・円安が進んだ。

5年債入札は無難通過

  財務省が実施した5年利付国債入札は、最低落札価格が101円02銭と、ブルームバーグがまとめた市場予想中央値と一致。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.87倍と、前回の3.88倍を上回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と、前回の2銭から縮小した。平均落札利回りマイナス0.107%、最高落札利回りマイナス0.105%。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、5年債入札の結果について「可もなし、不可もなし」と指摘。「マイナス利回りで国内勢の買いはほとんど期待できず、海外勢の主な投資対象は短期から残存2年にかけてのゾーンになる」と言う。

過去の5年債入札の結果はこちらをご覧下さい。

  財務省は12日に20年利付国債の価格競争入札を実施する。償還日が前回債より3カ月延びて新回号での発行となる。

新発国債利回り(午後3時時点)

前日比
2年債 不成立
5年債-0.115%+0.5bp
10年債 0.035%+1.0bp
20年債 0.480%+1.0bp
30年債 0.685%+1.0bp
40年債 0.805%+1.0bp
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